パナマ戦 選手採点と感想
全体の感想
攻撃に関しては案の定、プレッシャーをかけられると上手くいかないなという印象。とはいえ相手はW杯で強豪相手にそこそこ戦えていたパナマ。そう簡単にプレッシャーをかい潜れるわけもなく。「パナマごときに〜」というのは厳しすぎる。強いて言うなら、もう少しサイドバックが中に入ってきても良かったのでは? ウイングの伊東と原口が中に入り、サイドバックの室屋と佐々木は外からひたすらクロスというパターンが多すぎた。アギーレもハリルも西野も、時折ウイングとサイドバックの役割をひっくり返していたが、それをやればもっと面白かったのではと思った。特に右サイド。
一方パナマの攻撃はド派手で、なおかつ日本が最も苦手なスタイルだったので良い練習になったとは思う。だが厚みは皆無。2列目3列目の選手がゴール前に迫ってくることはほぼなく、対応はかなり楽だったろう。なので無失点を手放しで評価するのは無理がある。
大迫勇也 7.5点
前線で起点となり、時にはボランチの位置まで降りてスルーパスを出したりと、「中盤より前は全員大迫が最強」説を自ら後押しした。そしてポストプレーの上手さはさすが。変わって入った川又も頑張っていたが、大迫とはやはり差がある。
南野拓実 6.5点
ゴールはもちろん、攻撃で最も相手の脅威になっていたのは彼。では何故及第点よりちょっと高い程度の点数なのかというと、判断が遅すぎて流れを壊したシーンがいくつかあったため。1つは大ピンチにつながった。ああいう選手は大舞台で使われづらいのが実情。改善は必須。
伊東純也 6.5点
柏レイソルで普段やっているような、サイドでのドリブルは自ら封印。その役割は後ろの室屋に任せ、自らは大迫の隣でシャドー的な役割に徹した。何だかんだ点を取っているが、彼の本来の良さはあまり出ていない印象。右サイドバックが酒井宏樹になったらどうなるか、少し楽しみ。怪我は心配。さほど重くないとは思うが…
原口元気 6.5点
いつも通り攻守に全力。攻撃時にボールを奪われたり判断が遅れたりすることが何度かあった。とはいえやはり彼は必要。守備時の危機察知はサイドバック並みにうまい。このポジションのライバルは守備能力に不安のある選手が多いので、格上相手ではやはり原口一択か。
青山敏弘 6.0点
相手に徹底的にマークされてからは完全に消えていたが、マークされる前からあまり縦パスを入れることができていなかった。代わりに後ろから冨安が強引に縦パスを入れていた。プレッシャーをかけられた時に相手のいる方向にパスを出してピンチを招くのは相変わらず。佐々木同様、広島の調子の悪さをそのまま出してしまった感じ。今日は本人も全く納得していないだろう。
三竿健斗 7.0点
序盤こそ全くゲームに入らず解説陣からチクチク言われていたが、試合に入れるようになってからは本来の良さを発揮。彼がいると、ピンチ→失点 の流れが激減する。要するに大ピンチで彼は輝くのだ。もっと自信を持っていい。
室屋成 7.0点
細かいところでの技術不足というかなんというか、足りないものが色々とあるのは間違いない。ただ攻撃ではチャンスに深く関わり、守備ではしっかり自分の役割を果たしているのだから、あまり細かいことをブーブー言っては可哀想か。(何様) 酒井宏樹や西大伍に比べるとまだ劣っている印象はあるが、サイドバックは35歳くらいまでバリバリプレーできる。彼はまだ24歳。伸び代が大きい。期待してます。
佐々木翔 5.5点
今日の試合で最も良くなかった選手。攻撃時は周りのテンポについていけずにチャンスを潰し、守備時はポジショニングを誤って何度も相手にチャンスを作られた。青山同様広島の調子の悪さをもろに引きずっている。同じサイドに原口がいたから良かったものの、あれが乾や中島だったら確実に失点の原因になっていたと思われる。
冨安健洋 7.0点
19歳のデビュー戦ながら堂々たるプレー。守備の安定感はもちろん、縦パスを出せない青山の代わりに難易度の高いグラウンダーの縦パスをいくつか供給していた。一度だけミスからピンチを招いたが、あれは彼のせいというよりも彼にパスを出した選手のせい。(誰かは忘れた)
できればボランチで使ってほしい。
槙野智章 6.5点
まあこんなもんでしょう。特にミスもなく。かといって彼の割には派手なプレーもなく。そもそも相手が厚みのある攻撃をしてこなかったので、彼の全力プレーが出るまでも無かったか。それと、相方が19歳だったからか、妙に落ち着いて風格を漂わせていたように感じた。環境が人を変える。
権田修一 6.5点
特にピンチはなかったので評価しづらい。強いて言えば後半、南野の判断ミスから生まれたピンチの場面では、ボールに触って欲しかったとは思った。室屋が必死に相手に食らいついたから良かったものの、相手がもう少し上手ければ確実に失点していた。
川又堅碁 6.5点
体を張ることに関しては大迫とそれほど差はない。ただ、ボールの落下地点を見極めるのがイマイチだなと感じた。大迫が上手すぎるんだけどね。うん。比較対象が悪いわ。ジュビロの悪い流れを全く引きずっていなかったのはさすが。
北川航也 6.5点
そもそもボールに絡む機会が少なかったので客観的にどうこう言うことはできないが、動きの質が非常に良かったと思う。チャンスの場面で自分はどう動くべきかをしっかりと考えているようで、相手を撹乱することに関しては南野よりも遥かにうまいなと。判断も南野より速い。後はキープ力、推進力。それさえあれば代表のレギュラーも見えてくる。
堂安律 6.0点
伊東の負傷退場に伴う突然の出場ということもあってか、動きが鈍かった。ただし終盤に見せたセンターサークル付近でのボールキープからのパスは見事。ちょっとメッシっぽかったゾ。
柴崎岳 出場時間が短すぎたので何とも言えない。ただ、青山にはない「つかみ所のなさ」は何となく感じた。相手からしたらものすごく嫌な選手だろう。ただ、味方も彼に合わせるのは大変なんだろうな。とりあえず脳筋サッカーやっちゃってるヘタフェ笑から出よう。才能の無駄遣い。