hasu-footballのブログ

サッカー関連の記事多め。何かしら得ることのある内容にするつもりです。

日本代表のサイドバックは人材難?

「日本代表のサイドバックは人材難だ」という話を聞く。

思うに、これは半分正解で半分間違いだ。

 

というのも、サイドバックは人材が豊富な一方で、左サイドバックは人材不足に見舞われているからだ。

 

現在日本代表では右に酒井宏樹、左に長友佑都という組み合わせが固定されているので、2人の控え(若手限定)を見てみよう。

サイドバック

室屋成 (24歳、FC東京)f:id:hasumyon-football:20181031100345j:image

攻守ともに優れたセンスを持つハードワーカー。色々と物足りない要素はあるものの、指導者次第で改善できるものばかり。根本的な課題はない。

三浦弦太 (23歳、ガンバ大阪)f:id:hasumyon-football:20181031100357j:image

センターバックのイメージが強いかもしれないが、実は右サイドバックもできる。というか、俺が見た感じでは右サイドバック三浦の方がいい。ああ見えてかなり運動量豊富で、意外にスピードもある。そしてさらに意外なことに、クロスの精度がクッソ高い。センターバック仕込みの守備力もあるし、室屋よりも良いかも。

小池龍太 (22歳、柏レイソル)

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日本代表にこそ縁がないものの、かなりの実力者であることはJリーグファンなら知っているだろう。簡単に説明すれば、「長友のフィジカルを弱め、代わりに俊敏さをさらに強化したような選手」か。ウイング並みの攻撃力も武器で、柏ではたまにあの伊東純也とポジションチェンジをしたりしている。守備力も悪くない。課題はやはりフィジカル。そして、キック力自体はあるのになぜかクロススピードが無いのも弱点。

藤谷壮 (21歳、ヴィッセル神戸)

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以前、日本の若手紹介ツイートにも書いたが、俺が個人的にかなり期待している選手。運動量、足の速さ、ドリブル、クロス精度に関してはすでに日本代表級。課題は守備力。ただこれに関してはまだ21歳なので仕方ない面もある。これからリージョのもとでどれだけ高めていけるか。戦術眼も相当鍛えられるだろうし、楽しみだ。

橋岡大樹(19歳、浦和レッズ)

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本来はセンターバックの選手だが、浦和ではウイングバックでプレーしている。この2つがこなせるのなら、サイドバックも問題なく出来るだろう。能力的には、攻守ともに抜群のセンスを持つものの、安定感がなく足を引っ張る場面が散見される。だが、彼はまだ19歳。アジアカップまでの短い期間でも大きく成長するような気がする。試しに呼んでもいいかもしれない。浦和でプレーしているのは大きな武器になる。(色々な意味で)

 

他にも鹿島の伊東幸敏f:id:hasumyon-football:20181031100631j:image

清水の立田悠悟f:id:hasumyon-football:20181031100637j:image

ら若手実力派もいるが、さすがにA代表はまだ厳しいか。

ちなみに、右サイドバックには鹿島の西大伍

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という最終兵器がいる。もう30代なので呼ばれにくいとは思うが、能力は酒井宏樹と大差ない素晴らしい選手だ。後方からゲームメイクが出来るので、もしかしたら、アジア杯では彼の力が必要になるかもしれない。(今の勢い一辺倒の日本代表はそのうち限界を迎えるので)

 

さて、右サイドバックはこんな感じ。

 

問題はサイドバックだ。現段階で代表に呼んでも問題なさそうな若手はこの3人。

安西幸輝 (23歳、鹿島アントラーズ)

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縦の突破が非常に得意な選手。とにかくドリブルで前に進める。鹿島ではサイドハーフを任されることもあり、その攻撃力は折り紙つき。守備力はまだ不安だが、深刻視する程のものでもない。彼が左サイドバックに入った試合で鹿島の守備力がガクンと落ちるという印象もないし、要するに可もなく不可もなしというくらいの守備力だ。

山中亮輔(25歳、横浜F・マリノス)

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なんといっても攻撃力。強烈なミドルシュートが有名だが、ドリブルで強引に前に進めるのも大きな武器。動きが機敏で見るからに良い選手。問題は守備力。今の日本代表は左ウイングに個で打開できる選手が揃っているので、どちらかといえば左サイドバックに求められるのは守備力。全体的に日本代表のレベルにあるとは言えない広島の佐々木が代表に呼ばれるのも、それが大きな理由だろう。その意味で、山中は起用しづらい。

福森晃斗(25歳、北海道コンサドーレ札幌)

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非常に体格が良く(縦にも横にも)、センターバックでもプレーできる。彼の左足から放たれるキックは日本最高クラスの精度を持ち、コーナーキックフリーキックのたびに相手は寿命が縮まる。さらに、キック精度だけの選手と見せかけておいて、実は攻撃参加のタイミングの良さや堅実な守備力もある。現在3位の札幌の絶対的な主力だということも後押しして、アジア杯に呼ばれる可能性は十分にある。

 

こんなところか。

他にも有望な若手はいる。清水の松原后f:id:hasumyon-football:20181031102046j:image

湘南の杉岡大暉f:id:hasumyon-football:20181031214515j:image

はその代表格。

あっ写真間違えたわ。杉岡はこっち。f:id:hasumyon-football:20181031102111j:image

しかし2人とも、能力的にまだ日本代表は厳しい。長友の代わりとなるとなおさらだ。

 

その長友は肺に穴を開けてしまい入院中。このまま復帰できない可能性まで指摘されている。(彼のことだから復帰してくれると信じているが)

若手縛りをなくせば、左サイドバックには一応、即戦力として槙野がいる。守備力を求めるのなら彼がファーストチョイスだろう。とはいえ、槙野も本職はセンターバックだ。

また、酒井宏樹マルセイユでたまに左サイドバックを任されて素晴らしいパフォーマンスを見せているが、彼は右サイドバックの一番手だ。どうせなら右で使いたい。

柏の若きセンターバック、中山雄太

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推す声もある。確かに彼が左サイドバックを務めていた頃の柏は強かったし、当然の話だ。西大伍を彷彿とさせるテクニック、メンタル、サッカーIQの持ち主で、左サイドバックに入ったら面白そうではある。ただ、彼はセンターバックボランチが向いている。サイドバックとして日本代表に呼ばれるほどの実力があるかは正直不明だ。柏ではもう長いことセンターバック固定だし、サイドバック勘が残っているか。

(とはいえ川崎の守田をぶっつけでサイドバック起用した森保のことだから、中山のサイドバック起用はありえない話ではない。前述したように今の日本代表はサイドバックにそれほど攻撃参加を求めない・求める必要がないので、後方からパスを供給して攻撃を指揮する中山でも問題なさそうな気はする。)

 

もちろん、他にも左サイドバックには有望な若手がいる。先に挙げた松原はああ見えてかなりの努力家だし、必ず伸びるだろう。杉岡も、あの体格であれだけ動けるのは魅力だ。ただ2人とも、今の時点で日本代表に選ばれても足を引っ張る可能性が高い。色々と荒削りすぎる。あのような荒削りな選手は、なんでも批判しなければ気が済まない日本人にとって格好のターゲットとなってしまうだろう。

とにかく、このポジションは長友がどうこうというよりも、彼を脅かす選手が出てくるまで時間がかかる。間違いなく人材難だろう。

 

もし左サイドバックの人材難が解消されないようなら、森保一は無理やり左サイドバックを置かずに3バックにするかもしれない。アジア杯だし、グループリーグ期間は3バックを試す余裕がある。

3バックの場合はサイドバックではなくウイングバックになり、左センターバックとのコンビになる。サイドバックの役割を2人で分担することになる。ゆえに守備力が多少低くても任せられる。

 

いずれにせよ、インテルでスタメンを守り続けてきた長友佑都という男の後釜はそう簡単には出現しない。いくら今の若手は人材が豊富とはいえ、さすがに難しい。

上で挙げた若手選手も、今のまま順調に成長していては長友に遠く及ばないだろう。一昨年の三浦弦太のように、突如能力が3〜4段階跳ね上がるような急成長を見せる若手が出てくることを、期待している。

 

I will prepare and some day my chance will come.

(意訳) 準備しておこう。いつかチャンスが来る。

エイブラハム・リンカーン (アメリカの政治家。第16代大統領)