Jリーグが世界に誇れること
Jリーグのレベルは上がってきており、もはやJリーグよりも明らかにハイレベルだと断言できるのは欧州5大リーグとブラジルのトップリーグくらいだろう、という趣旨のツイートをしたことがある。
昔ならこういったツイートには罵詈雑言が飛んできたものだが、最近では賛同意見がほとんどだ。ここ2〜3年のJリーグをしっかり見ている人なら、冒頭に書いた意見を否定することはもはや不可能に近いとわかっているのだろう。
反対するのは、最近のJリーグを観ていない人・そして初めから「Jリーグは低レベルだ、低レベルでなければならない」という固定観念に雁字搦めになった状態でJリーグを観ている人だろう。
明らかにレベルは上がっている。これは疑いようのない事実だ。
さて、今回はそんなJリーグが、堂々と世界に誇れること についてのお話。
どうせなのでクイズ形式で。
Q.Jリーグには、世界一とさえ言われている、ある「誇らしいこと」があります。何でしょう? (答えは5行下に)
A、スタジアムの治安と、客層の多様性
よく言われていることなので、「なーんだ、そんなの知ってるアル。」と思った方はこの先は読まなくてもいいと思います。
そうでない人に向けて説明します。
1、スタジアムの治安について。
サッカースタジアムに行ったことがある人にお聞きします。あなたはこれまで、スタジアムで「命の危険」を感じたことはありますか?
("雷がヤバかった"等の天災系、あるいは"酒によった状態で階段を登っていたらバランスを崩した" 等の自業自得系はナシで。by経験者)
いかがでしょうか。おそらく、無いのでは…?
なにせ、1万人に聞いたら9997.8人は無いと答えるだろう質問だからね。選手たちはたまーに乱闘に巻き込まれたり悪質なタックルを受けたりして命の危険を感じることがあるだろうが、観客にそう言うことがあったとすれば、それはかなりのレアケース。
というのも、Jリーグは治安が良いからだ。
海外のスタジアムを見ていると、タトゥーを入れた男たちが殺気立っているのをよく目にする。(毎試合ではないが)試合中に発煙筒を焚いたり、物を投げたり、喧嘩をしたり、暴動を起こしたりする光景が見られる。
イングランドはわりと平和な印象。勝ったら大喜び、負けたらショボショボと帰る、そんな感じ。ドイツは熱いけど滅多に問題は起こさない印象。スペイン、イタリア、フランスはあまり治安が良くない。南米はヤバい。
…Jリーグでこのような光景を見ることは不可能に近い。要するに治安が良いのだ。あってもおっさんのヤジ、罵詈雑言程度だろう。(これも、よほど荒れた酷い試合でなければ耳にすることはあまり無い。)
たまに問題が起こるとマスコミが鬼の首を取ったように大騒ぎするので勘違いしている人が多いが、Jリーグのスタジアムは子どもだけ・老人だけ・女子だけでも通えるくらいには治安が良い。(ただし女子、すなわち成人していない女性が1人で観に行くのはオススメしない。未成年の女の子というのは、スタジアム内外問わず、基本的にクソ男のナンパのターゲットになる。最低でも2人で行った方がいいと思う。男子となら、なおヨロシ。)
2、客層の多様性について。
これについてはJリーグが観客のデータを公表しているので、ご覧いただきたい。
https://www.jleague.jp/docs/aboutj/funsurvey-2017.pdf
まず年齢について。
経済的に余裕のある・趣味がある程度固定化されてきた世代がメインを占めるのはどの競技でも共通だが、Jリーグは比較的分散している。若年層も増えている。もう少し増えれば最高だが、金のかからないDAZNを使う人も多いのでこれは容易ではない(俺もそうだし)。スタジアムまで毎週足を運ぶのは若者には結構しんどいんだよね。(時間も金もないので)
ただ、個人的に良いと思ったのは性別比だ。
男:女はもう何年も前から6:4で推移している。
この数字は驚異的だ。海外のスタジアムを見ればわかるが、観客の大半は男性。(女性や子どもは治安の悪さを理由にテレビ観戦を選ぶらしい。)
Jリーグファンはこのことを誇りに思うべきだ。外国からやってきた助っ人選手も、「観客に家族連れが多くて驚いた。とても穏やかな雰囲気だね」と語ることが多い。
治安が良いというのは、選手からすれば試合に集中できるということであり(名古屋のジョーはこれをありがたがっていた)、より良いプレーをできる1つの理由にもなる。
治安が悪ければ、さらに喧嘩上等の男ばかりスタジアムに集まり、その他の層は自然と排除されてしまう。悪循環・負のサイクルだ。イタリア・セリエAは長らくそこから脱却できていないためにスタジアムがガラガラなことが多い。(あと陸上競技場が多いのも1つの理由)
それが健全でないことは明らかだろう。喧嘩上等の男だけじゃ、(人生の全てをサッカーにかけているサポーターが多い南米でもない限り)スタジアムは埋まらない。
マスコミはJリーグのサポーターが問題を起こしたことばかりピックアップするが、実情は全く違う穏やかなものだということを発信していこう。スタジアムに恐怖心・嫌悪感を持っている人は意外に多い。
まとめると、Jリーグは老若男女問わず、さまざまな人が観に来れるということだ。
全くの初心者(サッカーはボールを蹴ってゴールに入れるスポーツだということしか知らないレベルの人)でも、排除されたりしない。というか、はっきり言って、バレない。(大声で「サッカーのルール全く知らん!」とか叫んだりしない限りね)
「応援歌を歌えないといけないのでは?」と心配する人がいるが、そんなことは全くない。(よくテレビに映される、ピョンピョン跳ねながら歌っている人たちは、ゴール裏にいる熱狂的なサポーターだ。大半は静かに座っている。ずーっと一言も発さずに試合を観ている人は、かなり多い。)
極端なことを言えば、相手チームの応援さえしなければ良いのだ。
※相手チームのユニフォームカラーの服は着ていかないこと。
というわけで、ぜひ一度足を運んでみてほしい。特にオススメなのは埼玉スタジアム(観やすさ、規模共に日本最高レベル)、三協フロンテア柏スタジアム(とにかく近い。恐るべき臨場感。J2にはなるけど…)、カシマサッカースタジアム(辺鄙なところにあることを除けば完璧) かな。
チームによってはゴール裏以外にも熱いファンが集まることがあるので、その点はしっかりと調べてから座席を買ってほしい。(基本的に、ゴールから遠ければ遠いほど熱いファンが減っていき、初心者の居心地が良くなる印象がある。
この写真で言えば、右上の白っぽくなっているところの周辺かな。(ちなみに白っぽいところは記者席)
今、日本各地でJリーグが盛り上がりを見せている。J1のレベルは明らかに上がっているし、J2も昔のJ1くらいにはなっている。J3でも大一番では1万人を超える観客が入るという盛り上がりようだ。
Jリーグは今後、チームが日本全国に分散していることを武器に、日本のスポーツ界を引っ張っていく可能性が高い。その理由は、実際に観戦に行けばよくわかるだろう。
テレビで観るのとは全く違うことに驚くはずだ。