hasu-footballのブログ

サッカー関連の記事多め。何かしら得ることのある内容にするつもりです。

本命不在の日本代表ゴールキーパー

アジアカップに召集されたゴールキーパーは、以下の3人。

東口順昭(ガンバ大阪) 32歳、184cmf:id:hasumyon-football:20181224224216j:image

シュミット・ダニエル(ベガルタ仙台)26歳、198cmf:id:hasumyon-football:20181224224220j:image

権田修一(サガン鳥栖)29歳、187cmf:id:hasumyon-football:20181224224226j:image

 

現状、彼らがベストの3人であることは間違いない。

しかし、「守護神は誰か」となると、答えに詰まる。トルクメニスタン戦では権田が先発したが、あれはコンディション重視の起用であって、権田を正守護神として位置付けているからではないだろう。

純粋に能力で見ればおそらく東口になるのだろうが、彼も突出しているわけではない。

 

そもそも、彼らはどんな選手なのか。

個人的な3人の分析は以下の通り。

 

東口順昭

安定感とスーパーセーブを兼ね備える。背は高くないがハイボール処理が弱点ではない。心配なのは、対外試合での活躍が少ないこと。どこだったか忘れたが、W杯前の親善試合で、大して強くない国相手にあっけなく2〜3失点したことを覚えている。どちらも比較的イージーなシュートだったので、かなり批判されていた記憶がある。森保ジャパンのウルグアイ戦でも3失点(うち1つは仕方ないものだが)。こちらは別段、彼のプレーの質が低かったわけではない。ただ、普段ガンバ大阪で見せているようなプレーはあまり見られなかった。なぜ代表では普段の守護神ぶりを披露できないのか。味方との連携の問題なのか、緊張等の精神的な問題なのかはわからない。だが、彼が日本代表のゴールマウスを守るとなると、少し不安が頭をよぎるのも事実である。

 

シュミット・ダニエル

2m近い圧倒的な長身、鋭い反射神経、強力なキック。この3つが揃ったゴールキーパーということで、めっちゃ期待されている。でもさ、ゴールキーパーってクッソ難しいポジションなんだよね。

・判断力、予測力

・ポジショニング

・一対一での駆け引き

・あとは(意外に重要なのが)シュートに対して手を正確に伸ばす技術。(これが出来ないと、シュートに反応しているのにボールに触れないという事態が発生する)

シュミットはこの4つがどれも微妙(一対一は威圧感で誤魔化せるが)。いわば、ゴールキーパースキルが低い。東口や権田はこの2つが高いので、だいぶ安心感が違う。

ゴールキーパースキルは年齢とともに成長する。(だからこそゴールキーパーは年を取っても衰えづらいのだ) なので、今後彼は凄い選手になるかもしれない。ただ、現時点では代表レベル? という感じ。

 

権田修一

言い方は悪いが、「これといった弱点もないけど突出した強みもない」ゴールキーパー。今季はサガン鳥栖でスーパーセーブを連発したが、東口は毎試合であれをやっているわけで。さらにいえば、鳥栖は人数をかけて守る戦術をとっているため、一見ヤバそうなシュートでも、実は比較的シュートコースが予測しやすかったというのもある。

それと気になるのが、(失点に結びついてこそいないのでスルーされているが)、2〜3試合に一回、ギョッとするような凡ミスをするんだよね。3m程度の高さから落ちてきたボールをキャッチし損ねたり、ヘニョヘニョのヘディングシュートをポロリしたり。ゴールキーパースキルは高いのに、時々それがある。集中力が切れているとしか思えない。昔のこととはいえ対外経験も豊富だし、現在コンディションが良いしで、個人的には3人の中で一番スタメンで使ってほしい選手なのだが、あの凡ミスを見ていると「代表でこれをやったらボロクソに叩かれるぞ…」と心配になる。(トルクメニスタン戦でのあれはミスではないけどね。もっと守備陣含めた全体の問題。)

責任感の強い選手だからこそ、そのようなミスが精神面にも大きな影響を及ぼす。そんなこと言ったら試合に出せないので、彼を信じるしかない。ただ、東口を差し置いてスタメンで起用するとなると、少し不安があるよねという話である。

 

個人的には、中村航輔がいればなあ…と思ってしまう。年齢的にダントツで若い(23歳)。東口並みのスーパーセーブとゴールキーパースキルを持っており、外国の強豪相手でも普段通りの能力を悠々と発揮できるメンタルの持ち主だ。(というかパフォーマンスの波がほとんどない)。櫛引政敏ばかり使われていたリオ五輪代表チームで、五輪期間中に急遽守護神に抜擢され、何もなかったかのように安定したプレーを見せたことからも明らかだろう。

身長は185cmあり、ピックフォードやナバスと同じだ。弱点になるような高さではない。

だが、当然ながら、彼にも欠点がある。ハイボール処理だ。高いボールが飛んでくるとあまりキャッチ出来ないし、触れることすら出来ないことがある。(だいぶ改善されたが、まだ不安)

とはいえ、185cmの川島や184cmの東口はハイボール処理にほとんど不安が無い。つまり身長や国籍はあまり関係ないということ。中村も今後、努力によって苦手ではなくなるはずだ。

そう考えれば、今後の日本代表の正ゴールキーパーに最も近いのは彼ということになる。

だが、彼はアジアカップに呼ばれていない。脳震盪で長期間離脱しており、復帰したのはリーグ戦終盤。ほぼ試合に出ていないし、出ても止めようのないシュートばかり飛んできたり(川崎戦)、監督交代でチームが強くなったためにろくにシュートが飛んでこなかったり(その他)。

そんな選手を呼ぶわけにはいかないだろう。復調しているのかを判断する材料が少なすぎる。柏サポとしては呼んでほしいだろうが、東口、シュミット、権田が輝いた年だったのだから、難しいことは間違いない。

とはいえ、俺も「呼んでほしかった…」というのが正直なところだ。それくらい彼に期待している。

 

何も、今回招集された東口、シュミット、権田が嫌いなわけではない。むしろ逆で、全員素晴らしいゴールキーパーだと心から思う。

それでも俺は、上に述べたような理由から、「守護神の座に一番近いのは中村航輔だ」と思っている。