hasu-footballのブログ

サッカー関連の記事多め。何かしら得ることのある内容にするつもりです。

Jリーグはどのような外国人選手を獲るべきか?

 

日本で大活躍を収めた外国人助っ人といえば誰だろうか。

俺の記憶にある中では、ワシントン、ポンテ、エメルソン (いずれも浦和)、ジュニーニョ(川崎)、マルキーニョス(鹿島)、アラウージョフェルナンジーニョマグノ・アウベス (いずれもG大阪)、フッキ(東京ヴェルディ)、レアンドロドミンゲス(柏)、最近ならパトリック(広島)、ジョー(名古屋)、ファンウィジョ(G大阪)

あたりが強烈に印象に残っている。

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ワシントン

 

彼らの共通点を探れば、Jリーグが狙うべき外国人選手の資質も見えてくるのではないだろうか。

ということで3つ考えてみた。

 

彼らの共通点その1

「皆全力でプレーしていた。」

上記の選手で、手を抜いていた選手がいただろうか。いや、いなかっただろう。(反語表現)

当たり前だが、異常なまでに「常に全力」を愛する日本という国で、全力でプレーしない選手が活躍することは難しい。周りからも監督からも好かれないからだ。そして、今のJリーグはレベルが大きく上がり、手を抜いて活躍することはますます難しくなっている。そしてこれは、イニエスタJリーグを選んだ理由でもある。スーパースターと言えども、手を抜いては活躍できないのがJリーグの魅力なのだ。f:id:hasumyon-football:20181225144020j:image

ジョー

 

彼らの共通点その2

「周りの日本人選手と上手くやっていた」

皆いい人だった覚えがある。フッキはトラブルメーカーだったが、チームメイトとの雰囲気は常に良好だった。(審判との関係は最悪だったがな!) 今も日本に対しては良い印象を持ってくれているようだし。

イニエスタトーレスのような、真面目を実写化したような選手は当然チームに溶け込みやすいし、陽気なブラジル人も溶け込みやすい。じゃあ溶け込めない選手ってどんな選手? まあ、やる気のない選手だろうね。やる気があれば、チームメイトもプロなんだし、よっぽど性格が悪くない限りは仲良くしようと思うはず。

※あくまでも噂だが、Jリーグのクラブは外国から選手を連れてくる際に素行面をかなり重視しているらしい。たまに「そんなの嘘だね」と思わざるを得ないヤバイ奴が来ることもあるが、基本的にはまともな人しか来ないので、"共通点その2"を満たさない選手はほとんどいないと考えていいだろう。f:id:hasumyon-football:20181225144037j:image

マルキーニョス

 

彼らの共通点その3

「日本人の特徴を理解し、自分をフィットさせることができた」

これが出来なかった選手は、たとえ超大物であってもことごとく活躍できなかった。誰とは言わんけど。結局は、周りに合わせてプレーしないとダメなんですよ。昔のようにやって活躍できないのなら、周りに合わせてないと。それがプロってもんでしょう。そうしないとチームも自分も輝けない。

ちなみに、これが絶妙に上手かったのがポドルスキ。攻撃の形を作れる選手がいない&自分にパスを出せる選手がいない→ならば自分がそれをすべきだと判断し、得点力特化型だった自分のプレースタイルを大きく変えた。それで果たして成功しているのかはさておき、プレースタイルを変えずに昔のスタイルを貫いていたら、今頃神戸にはいなかっただろう。

同じことはトーレスにも言える。得点源として期待されていたが、チーム状況的に「ゴールだけ考えていれば良い」わけではないことに気づき、ポストプレーや守備に奔走した。2006年からトーレスのファンをしている友人が「ユニフォームを泥だらけにしながら守備をする選手だった覚えがない。驚いた。」と言っていたのが印象的だった。34歳の選手があれだけ前線からの守備に奮闘するのは日本でも珍しいだろう。

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ポドルスキ

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フェルナンド・トーレス

 

というわけで、この3つの資質を持っていることは必要不可欠と言える。どれか1つでも欠けている、欠ける恐れのある選手はリスキー。 

1は選手次第。就活の面接と同じで、いかに会話から相手の本心を見抜けるかが鍵。

2はだいたい大丈夫。

3が最も難しい。チームメイトの癖やJリーグ全体の特徴を見抜くにはサッカーIQが高くないといけないし、自分のスタイルをチームに合わせようとする謙虚さと意志の強さも求められる。

日本にやってくるのは大半がピークを過ぎたベテラン選手だ。果たしてトーレスのように全力でそれに取り組んでくれるだろうか? というのが最大の懸念だろう。

 

なお現代では、これに加えてさらに副次的に求められる資質がある。と思っている。

〜大前提として、Jリーグのみならず日本という国家自体が、今後外国人に積極的に働きかけて注目してもらわないといけないということを覚えておいてほしい。  放っておいても向こうから寄ってきてくれる時代は終わった。今は中国やベトナムがその地位にいる。〜

 

現代の大物助っ人に求められる資質その1

「日本国外への影響力がある」

これは別にSNSで多くのフォロワーを抱えていることに限らず、ティーラシンやチャナティップような母国の人々に絶大な人気を誇る選手、ポンテやジーコのような広い人脈を持つ選手でもいいと思う。

端的に言えば、"サッカー以外のところでもチームに貢献できる選手"という感じ。

マストではないが、あったらいいよね、という話。比較的安価ながらこれを実現できるのが東南アジアのスター選手たち。だから獲得を目指すチームが多いのだろう。札幌はそれで大成功したしね。(まあチャナティップが超優秀だったのが大きいけど)f:id:hasumyon-football:20181225144418j:image

 

現代の大物助っ人に求められる資質その2

「日本に馴染めそうな人」

これは上記の「周りの日本人選手と上手くやっていた」に近いが、より一層大きな単位の話。日本という国自体を気に入ってくれること、とでも言おうか。

よく人間性が大事だという人がいるが、それは正直微妙。だって問題児のはずのジェイが札幌では仲良く楽しそうにやっているし… 大事なのは、日本を気に入るか。国民性や気候、そして以外に重要なのが食事。日本に来た外国人選手は皆食事の美味さを母国のインタビューで語っている。(他に褒めることがないから とか言ってる卑屈な人がいるけどさ、他にも色々褒めてるんだよ。まず真っ先に食事の話をするってだけ。)

個人的には、偏見かもしれないが、イブラヒモビッチネイマールやナインゴランが日本に馴染めるとは思えない。なんか日本人選手も萎縮しそうだし。彼らのような選手はなるべく避けるべきだと思われる。f:id:hasumyon-football:20181225144450j:image

 
現代の大物助っ人に求められる資質その3
「日本人に助言・指導してくれること」
これが最も重要。いくらチームを強くしても、彼が退団したら弱くなっちゃった〜じゃ意味がない。よく「技は見て盗め」という人がいるが、見ているだけで技を盗めるならば苦労しない。そうやってやってきたから日本の伝統技術が衰退しているんでしょうよ。サッカーは言葉を介して助言や指摘を受けることは大切だ。
これからJリーグを世界的なリーグにしていくためにも、日本人選手たちの能力の底上げは欠かせない。外国人助っ人が一人でチームを強くする一昔前の構図は古い。中国スーパーリーグを見ていればわかるでしょう。
ジョーやイニエスタは来日してすぐ「緩急がなさすぎる」と問題点を指摘していた。これは(俺だけかもしれないが)初耳だった。知性の塊のようなサッカーをバルサでしていたイニエスタはまだしも、色々なリーグで色々なサッカーを経験してきたジョーが断言したのは大きかった。Jリーグの緩急の無さがどれだけ際立ったものかを実感させられた。
彼らはJリーグのレベル自体は褒めている。その上で「でも緩急がないよね」と語る。これがJリーグの現状だろう。
 
このように、日本サッカーの底上げにも繋がるようなアドバイスを選手目線でしてくれる選手を獲れたら最高だろう。サッカーをしている子どもたちにとっても、世界最高の舞台でプレーしてきた選手たちのプレーを生で見たり、自分の住む国のリーグのサッカーを彼らがどう見ているかを知るのは、素晴らしい良薬というか、参考になるだろう。試合を観に来る少年の中には、将来クラブの看板選手になる選手がいるかもしれない。そう言ったことまで考えた上で選手を選ぶのが理想的だろう。
(まあ、それが出来るのは一部のクラブだけなんだけどさ。)
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Technology is just a tool. In terms of getting the kids working together and motivating them, the teacher is the most important.

技術は単なる道具に過ぎない。子どもに一緒に勉強させ、モチベーションを高めるには、先生が最も重要なのだ。

ビル・ゲイツ (アメリカの技術者、実業家、マイクロソフト創設者)