hasu-footballのブログ

サッカー関連の記事多め。何かしら得ることのある内容にするつもりです。

近年の日本の若い世代が強い理由

昔から、日本のアンダー世代はアジアでは勝てていたが、近年はヨーロッパや南米を含めた国際大会でも好成績を残すことが多い。

なぜか。理由は大きく分けて2つあると思われる。

1つ目の理由として、「世界を知る世代が指導者になり始めたから」というのが挙げられる。これまでの日本サッカーは、世界相手に勝てなかった、そのくせに自分たちの知識をアップデートしようともしない世代(すなわち北澤や武田やラモスの世代)がメインだった。もちろん例外もいるし、例外がいるから日本サッカーは少しずつ強くなっているんだけど、あくまで少数派。

しかし5年ほど前から、世界を相手にバリバリ戦い、結果を残したきた世代(伊原や福西、宮本など)が指導者・解説者としてデビューすることが増えてきた。

これによって、若いうちから質の高い指導を受けられるようになり、世界と真っ向から張り合える選手が育ってきている、という印象がある。特に若者にとって、指導者は大切なのだ。マンチェスター・シティスターリングの変わりようを見れば明らかだろう。脳筋の代表格が、グアルディオラの指導を受けて今や戦術的に欠かせない選手にまでなりつつある。

 

2つ目は、「スポーツエリートが野球ではなくサッカーを選ぶようになったから」

今の若手世代(23歳以下)が幼稚園あるいは小学校に入学するタイミングで、ある出来事が起きた。親に「うちの子にサッカーを習わせよう」と決意させる出来事があった。そう。2002年日韓ワールドカップだ。日本代表初のベスト16入り、視聴率66%、ベッカムフィーバーロナウドのヘンテコ髪型、イルハンオリバー・カーン等、日本中のあらゆるニュースを牛耳り、他スポーツの影を薄くしたこの歴史的大会が、今の若手世代の親に「うちの子にもサッカーを習わせたい」と思わせた可能性は非常に高い。(というか、この可能性を否定する方が難しいだろう)

実際に、23歳以下の選手たちが野球ではなくサッカーを選んだことがはっきりとわかるデータがある。f:id:hasumyon-football:20181020110507j:image

中学野球部の部員数は、野球日本代表がWBCで劇的な優勝を果たした2009年にガクッと減っている。いやいやおかしいやろ。普通逆やろ。と思うやんかー。なぜか。

確証はないが、理由は1つしか思いつかない。2009年の中学1.2年生は、小学校に入学した頃に日韓ワールドカップが開催された世代だから

だ。(つまり1995年以降に生まれた子たち)

要するに、「うちの子は今年から小学生だ。何を習わせよう。日韓ワールドカップでサッカーが盛り上がったし面白かったから、サッカーにしようかな」と考えた親にサッカーを始めさせられた(自ら始めたいと思った)子たちは、2009年に中学生であり、今は22.23歳なのである。彼らはWBCで日本代表が優勝した頃にはすでにサッカーにどっぷり浸かっていたので、「野球優勝したんだ。まあ俺はサッカー部だけど」くらいにしか思わなかった可能性がある。

※それにしてはサッカー部の部員増加数が少ないのではないか と思うかもしれない。だが忘れてはいけない。サッカー少年の中には、部活に入らずにクラブチームに入る子も多いのだ。何を隠そう、俺もそうだった。サッカー大好き。だけど古臭くて拘束時間の長い(当時はそうだった)サッカー部は嫌だ。クラブチームがいい と。

 

さらに言えば、この世代は小学校時代に日韓大会を経験しているが、これより若い世代は幼稚園児の頃に(親が)日韓大会を見ている。彼らはもっと早い段階からサッカーに親しみ始めた可能性が高い。

 

今の19歳未満(久保建英、佐々木大樹、現在開催中のU19大会メンバーの一部)

19歳(冨安健洋、郷家友太、橋岡大樹、安部裕葵、田川亨介ら)

20歳(堂安律、小川航基、立田悠悟、前田大然ら)

21歳〜23歳(鈴木優磨、中村航輔、中山雄太ら。キリがないのであとは省略)に有望な選手が多いのは、

習わせるなら野球ではなくサッカーという風潮が、彼らが幼い頃に形成されたからではないだろうか。

また、日本中の中学高校で、サッカー日本代表のおかげもあって「サッカー部は爽やかでカッコいい」というイメージが生まれていることも大きい。中高年の方々にはジェネレーションギャップの極みだろうが、今若者の間で最も人気のあるスポーツはサッカーなのである。

それゆえ、少子化が進んでいる日本において、サッカー人口はほとんど減っていない。むしろ選りすぐりのスポーツエリートがこぞってサッカーを選び、彼らに質の上がった指導がなされるので、レベルは上がっている。

今の若手世代のプレーを見ていると、自信を持ってそう言える。

 

あとは、彼らが国際大会でしっかり結果を残した時に、マスメディアがしっかり報道してくれるか。大相撲やプロ野球キャンプ情報を優先させたりしないか。久保建英や堂安律らカリスマ性のある選手がいるから大丈夫だと信じているが、メディアのスポーツ報道に関する闇は深い。これも今後、非常に重要になってくるだろう。

 

 

ウルグアイ戦 感想と選手評価

全体の感想

日本は史上初めて、世界を相手に個で勝負できる選手をメインに、攻撃陣を構成した。そのため、非常に面白い、見栄えの良い攻撃の連続だった。今回は実際に埼玉スタジアムで観戦したが、日本人にとって盛り上がり要素に事欠かない素晴らしい試合だったと思う。

一方で、忘れてはいけないのがウルグアイのコンディション。ウルグアイは絶対的な主力が3人怪我で欠場(スアレス、ベシーノ、ヒメネス)、1人ベンチスタート(ナンデス)、1人本職でないポジションでスタート(ベンタンクール) という状態で試合に臨んだ。それゆえに全体的な統率が取れておらず、また個人個人も本調子ではなく、はっきり言って本来のウルグアイには程遠かった。現地で見ているとゴールキーパームスレラがとんでもない大声で指示を出し続けていることが目立ったが、やはり後ろから見ていても指示を出したくなる事が多かったのだろう。その証拠に、ウルグアイが1点返して勢いに乗り始めた後は指示が減った。

さらに彼らは日本代表についてあまり詳しくないように見えた。警戒すべきなのはせいぜい大迫、柴崎、長友くらいだろう、そんな風に考えていた印象を受けた。中島や堂安の個人技をいかに封じ込めるかは特に考えていなかったのではないだろうか。さらに言えウルグアイの守備陣は俊敏性に不安のある選手が多く、スピードが売りの日本にとっては非常に攻撃しやすかったように思える。

もしかしたら、スピードに優れ、日本をしっかり研究し、万全のメンバーで挑んでくるアジアの中堅国の方が、昨日のウルグアイよりも厄介かもしれない。アジアカップで盛大な掌返しに見舞われないことを願う。

 

とはいえ、これまでの日本代表の常識だった「ドリブルで勝負できるアタッカーは1〜2人しかいないし、パスでなんとかしよう」という諦めにも似た観念は完全に消えた。1人1人がドリブルで勝負できるので、パスしか選択肢がない(例えばザックジャパンのスタメン)時よりも遥かに予測されづらくなった。

そりゃそうだ。初めからパスしかしてこないとわかっている選手と、パスを念頭に起きながらも隙あらばドリブルで自分を抜こうとしてくる選手とでは、どちらが厄介か。考えるまでもない。

余談になるが、昨日の試合を見ていて、ドリブラーが(Jリーグにも海外組にも)ほとんどいない当時の日本で、あれだけ強豪相手に頑張っていたザッケローニは凄かったなと思わされたよ。

ともかく、これまでの日本代表はアタッカーが個人で仕掛けられないゆえに苦労してきた試合が多かった。これからはそういった苦悩から解放され、さらに高いレベルで戦えるようになる、そう期待できる試合だった。

 

 

選手採点

大迫勇也 7.0点

ゴディンを相手にボールをキープ。そこからの展開力も意外性があり、予測が難しい素晴らしいものだった。一方でシュートを外しすぎたのも事実。決定機が2つあったが、完全に宇宙を開発。この得点力ではアジアカップで批判の的になる可能性がある。その意味で、得点力の高い鈴木や小林との定位置争いに勝てるかは、正直微妙。

 

南野拓実 6.5点

相方の大迫の分も補う、相変わらずの得点力は素晴らしい。キープもトリッキーなパスも使いこなせる良い選手。パナマ戦で目立った判断の悪さもかなり改善されたように見えた。だがしかし、ベンタンクールがアンカーを務めていた間は良かったものの、対策を取られるようになってからは長い時間消えていたのも事実。トップ下、セカンドトップの選手はどうしても消える時間が長くなりがちだが、一流は消えない。トップ下としてはまだしも、大迫の相方としては、同ポジションに強力なライバルがいる。ここからが本格的なスタートではないか。

 

堂安律 7.5点

とにかくボールを奪われない。視野が広い。トラップが上手い。裏への抜け出しも秀逸。鍵だった酒井宏樹との連携も特に問題なし。適度に囮に使いながらも、酒井がクロスを上げた方が得点の可能性が高まる場面ではパスを確実に出せていた。昨日の彼は完璧だった。同サイドにいたのが俊敏性に優れたサラッキだったことを考えれば、中島よりもドリブルでの仕掛けが少なかったのは仕方のないこと。全盛期の本田圭佑に限りなく近い(加えてドリブルもできる)20歳。楽しみだ。

 

中島翔哉 8.0点

まさに無双状態。ゴール前での突破やアイデアはもちろん、中盤まで降りてきてゲームメイクに参加しても高い能力を発揮。もはやポルトガルリーグにいるべき選手ではない。リーガエスパニョーラでも十分通用する素質を見せつけた。ただし…… 左サイドの対峙相手が俊敏性に不安のあるカセレスだったこと、ウルグアイがシステム上ワンボランチになる時間が多かったことなどを考えれば、彼のドリブルで中に切り込んでいくプレースタイルが際立ったのも無理はない。彼にとってはやりやすい相手だっただろう。今後対策をされても今日のように楽しくプレーできるかどうか。苦労人なので慢心してはいないはずだが、あくまで昨日の試合は彼にとって理想的な、彼のためにあるような試合だったことは頭の隅に置いておきたい。

 

柴崎岳 6.0点

やはり試合に出ていないと厳しい。抜群のセンスがあるので特に悪目立ちこそしなかったが、彼が本来のプレーをできていれば、もう少し堂安や南野がゴール前でプレーすることも出来たのでは。ゴール前に走り込むシーンもほとんどなく(とはいえこれは戦術上の取り決めかもしれないが)、攻撃時に数的優位を作り出せなかった。中島が1人で2人分の活躍を見せる無双状態だったので、この点は目立たずに済んだが…。

 

遠藤航 7.0点

落ち着いているのか落ち着いていないのか、相変わらずよくわからない選手。すぐバタバタするし実際に周りのサポートが無いと完全に詰んでしまうタイプなので、彼がボールを持つと常に不安感があった。しかしバタバタしながら相手の隙を見つけ出して的確なパスを何本も出していたのも事実。もともとポジショニングや守備力には定評のある選手なので、あとは周りからのサポートがない孤立無援状態でも最低限ボールをキープし続けられるようになれば、絶対的なレギュラーになれるだろう。

 

酒井宏樹 7.5点

左サイドの中島&長友が超攻撃的だったこともあり、堂安と酒井はやや控えめに。彼の攻撃参加も普段程多くはなかった。守備で一度ミスを犯したが、それ以外は素晴らしいパフォーマンス。特に堂安の得点をアシストしたシーンは完全にワールドクラスのストライカーの動きだった。世界屈指の過激なサポーターで有名なマルセイユで絶大な支持を得ている男は、現地で生で見ていても明らかに1人だけ質が違った。彼を超える右サイドバックは当分出てこないだろう。

 

長友佑都 8.0点

まさにベテランという動き。攻撃時はサポートを欠かさず、守備時は味方の隙を埋めるスイーパー的な役割を完遂。彼がいなければ攻撃も守備も大きく質が落ちていただろう。判断力が非常に優れていることも現地で見て改めて実感した。それと、彼は前からのハイボールを競り合う時、小さいのに、ヘディングで勝つ。落下地点を見極める能力と、優れたジャンプ力の賜物だろう。少しイバン・コルドバを思い出した。

彼の後釜は出てくるのだろうか… あのレベルにまで到達できそうなのは柏の中山くらいかな…

 

三浦弦太 6.5点

致命的なミスがあったので酷評している人も多いが、カバーニのマークは主に彼が担っていたことを忘れてはいけない。どの試合も全力で闘志むき出しで戦う世界屈指のストライカーに、一対一でほとんど負けなかったのはもっと評価されるべき。何よりも経験が大切なセンターバックというポジションで、まだ23歳の彼があれだけ出来たのだから。

 

吉田麻也 6.5点

平常運転。特段優れたプレーは無かったのでこの点数。三浦ほど厳しい一対一がなかった分、キャプテンとして余裕を持って味方に指示を出せていた。やはり彼がいると安定感・安心感が違う。

 

東口順昭 6.5点

スーパーセーブ2つはさすが。ゴディンのヘディングを防いだシーンはゴディンにとっても想定外だっただろう。一方でパスする相手を誤るのは彼の最大の悪癖。実はガンバでもたまに見られるが相手があまりプレッシャーに来ていないので表面化していないだけで、彼の必要以上にチャレンジングなパスは相手からすればかなりの狙い所。PKが苦手なことも含め、トーナメント型の国際大会では非常に使いづらい。中村がアジアカップまでには復帰できると思われるので、そこでのレギュラーは厳しいか。

パナマ戦 選手採点と感想

全体の感想

攻撃に関しては案の定、プレッシャーをかけられると上手くいかないなという印象。とはいえ相手はW杯で強豪相手にそこそこ戦えていたパナマ。そう簡単にプレッシャーをかい潜れるわけもなく。「パナマごときに〜」というのは厳しすぎる。強いて言うなら、もう少しサイドバックが中に入ってきても良かったのでは? ウイングの伊東と原口が中に入り、サイドバックの室屋と佐々木は外からひたすらクロスというパターンが多すぎた。アギーレもハリルも西野も、時折ウイングとサイドバックの役割をひっくり返していたが、それをやればもっと面白かったのではと思った。特に右サイド。

一方パナマの攻撃はド派手で、なおかつ日本が最も苦手なスタイルだったので良い練習になったとは思う。だが厚みは皆無。2列目3列目の選手がゴール前に迫ってくることはほぼなく、対応はかなり楽だったろう。なので無失点を手放しで評価するのは無理がある。

 

 

大迫勇也 7.5点

前線で起点となり、時にはボランチの位置まで降りてスルーパスを出したりと、「中盤より前は全員大迫が最強」説を自ら後押しした。そしてポストプレーの上手さはさすが。変わって入った川又も頑張っていたが、大迫とはやはり差がある。

 

南野拓実 6.5点

ゴールはもちろん、攻撃で最も相手の脅威になっていたのは彼。では何故及第点よりちょっと高い程度の点数なのかというと、判断が遅すぎて流れを壊したシーンがいくつかあったため。1つは大ピンチにつながった。ああいう選手は大舞台で使われづらいのが実情。改善は必須。

 

伊東純也 6.5点

柏レイソルで普段やっているような、サイドでのドリブルは自ら封印。その役割は後ろの室屋に任せ、自らは大迫の隣でシャドー的な役割に徹した。何だかんだ点を取っているが、彼の本来の良さはあまり出ていない印象。右サイドバック酒井宏樹になったらどうなるか、少し楽しみ。怪我は心配。さほど重くないとは思うが…

 

原口元気 6.5点

いつも通り攻守に全力。攻撃時にボールを奪われたり判断が遅れたりすることが何度かあった。とはいえやはり彼は必要。守備時の危機察知はサイドバック並みにうまい。このポジションのライバルは守備能力に不安のある選手が多いので、格上相手ではやはり原口一択か。

 

青山敏弘 6.0点

相手に徹底的にマークされてからは完全に消えていたが、マークされる前からあまり縦パスを入れることができていなかった。代わりに後ろから冨安が強引に縦パスを入れていた。プレッシャーをかけられた時に相手のいる方向にパスを出してピンチを招くのは相変わらず。佐々木同様、広島の調子の悪さをそのまま出してしまった感じ。今日は本人も全く納得していないだろう。

 

三竿健斗 7.0点

序盤こそ全くゲームに入らず解説陣からチクチク言われていたが、試合に入れるようになってからは本来の良さを発揮。彼がいると、ピンチ→失点 の流れが激減する。要するに大ピンチで彼は輝くのだ。もっと自信を持っていい。

 

室屋成 7.0点

細かいところでの技術不足というかなんというか、足りないものが色々とあるのは間違いない。ただ攻撃ではチャンスに深く関わり、守備ではしっかり自分の役割を果たしているのだから、あまり細かいことをブーブー言っては可哀想か。(何様)    酒井宏樹西大伍に比べるとまだ劣っている印象はあるが、サイドバックは35歳くらいまでバリバリプレーできる。彼はまだ24歳。伸び代が大きい。期待してます。

 

佐々木翔 5.5点

今日の試合で最も良くなかった選手。攻撃時は周りのテンポについていけずにチャンスを潰し、守備時はポジショニングを誤って何度も相手にチャンスを作られた。青山同様広島の調子の悪さをもろに引きずっている。同じサイドに原口がいたから良かったものの、あれが乾や中島だったら確実に失点の原因になっていたと思われる。

 

冨安健洋 7.0点

19歳のデビュー戦ながら堂々たるプレー。守備の安定感はもちろん、縦パスを出せない青山の代わりに難易度の高いグラウンダーの縦パスをいくつか供給していた。一度だけミスからピンチを招いたが、あれは彼のせいというよりも彼にパスを出した選手のせい。(誰かは忘れた)

できればボランチで使ってほしい。

 

槙野智章 6.5点

まあこんなもんでしょう。特にミスもなく。かといって彼の割には派手なプレーもなく。そもそも相手が厚みのある攻撃をしてこなかったので、彼の全力プレーが出るまでも無かったか。それと、相方が19歳だったからか、妙に落ち着いて風格を漂わせていたように感じた。環境が人を変える。

 

権田修一 6.5点

特にピンチはなかったので評価しづらい。強いて言えば後半、南野の判断ミスから生まれたピンチの場面では、ボールに触って欲しかったとは思った。室屋が必死に相手に食らいついたから良かったものの、相手がもう少し上手ければ確実に失点していた。

 

川又堅碁 6.5点

体を張ることに関しては大迫とそれほど差はない。ただ、ボールの落下地点を見極めるのがイマイチだなと感じた。大迫が上手すぎるんだけどね。うん。比較対象が悪いわ。ジュビロの悪い流れを全く引きずっていなかったのはさすが。

 

北川航也 6.5点

そもそもボールに絡む機会が少なかったので客観的にどうこう言うことはできないが、動きの質が非常に良かったと思う。チャンスの場面で自分はどう動くべきかをしっかりと考えているようで、相手を撹乱することに関しては南野よりも遥かにうまいなと。判断も南野より速い。後はキープ力、推進力。それさえあれば代表のレギュラーも見えてくる。

 

堂安律 6.0点

伊東の負傷退場に伴う突然の出場ということもあってか、動きが鈍かった。ただし終盤に見せたセンターサークル付近でのボールキープからのパスは見事。ちょっとメッシっぽかったゾ。

 

柴崎岳 出場時間が短すぎたので何とも言えない。ただ、青山にはない「つかみ所のなさ」は何となく感じた。相手からしたらものすごく嫌な選手だろう。ただ、味方も彼に合わせるのは大変なんだろうな。とりあえず脳筋サッカーやっちゃってるヘタフェ笑から出よう。才能の無駄遣い

 

ライト層とサッカーを観る時の俺の流儀 (プロフェッショナル)

時々、サッカーをほとんど知らない人(いわゆるライト層)と一緒にサッカーを観ることがある。テレビでも現地でも。男性とも女性(1人だけ。数年前の話)とも。

オフサイドって何? セットプレーって何? というレベルの人たちだ。

このような人たちは、20年以上生きてきてサッカーにあまり興味関心を持たなかったのだ。ゆえに、サッカーの魅力を伝えるのが非常に難しい。上手く伝えられなかったり、悪い印象を与えてしまったりすれば、サッカーからは当分距離を置くか、少なくともファンになることはなくなるだろう。

サッカーファンになるポテンシャルを持った人を、1人減らすことになるのだ。

だから責任重大なのだ。(自分で言うか)

 

そんなミッションに挑む上で、俺なりに気をつけていることが3つある。今日はそれを書いていこうと思う。俺とサッカー観戦をした人は皆「楽しかった!」と言ってくれるので、おそらくノウハウとしては有効だろう。(無論お世辞の可能性も否定できないが、それを言ったらキリがないのでここでは素直に喜んでおく)

 

1つ目

「選手やチームの悪口を言わない」

これはとても大事。皆さんが普段会話する相手はおそらくサポーターなので、「○○のフロントはカス! まともな監督を連れてこい!」といったチームの悪口・愚痴を言ってもなんら問題ないだろう。だが、普段サッカーすら観ない人たちは違う。ネガティブな言葉を聞かされると、サッカーそのものにネガティブな感情を持ってしまうかもしれないのだ。

例えば貴方がメジャーリーグを観に行った時に、「いやー、今のヤンキースは昔のようなカリスマ性が無いんだわ! サンチェスとジャッジはすげえけどさ! あとはどいつもこいつも中途半端で、こんな奴らがヤンキースの選手としてプレーしていると思うとイライラするわ!」 とか言われたら、どう思う?

なんかネガティブな感情に陥るし、何より疲れるでしょう? 一緒に試合を観戦する人は、貴方の愚痴を聞くためにスタジアムまで来たのではない。サッカーを楽しむために来たのだ。

人間はネガティブなことを聞かされると疲れる傾向にある(と思う)。せっかく一緒にサッカーを観に来てくれた人に嫌な思いをさせたいかい?

どうしてもsomething negativeを言いたくなったら、軽いノリでユーモアを交えてね。

「○○って選手は下手だわ〜!まあ俺の百倍上手いけど!」みたいに。

まあ、言わないに越したことはないよ。

 

あと、小さな好プレーにも大げさに反応しよう。「へえ〜ああいうプレーが凄いんだ」と分かると、その人は一気にサッカーを知った気分になる。(というか実際にかなりサッカー眼が進歩する)  何より盛り上がるよ。これが上手いのが松木安太郎城彰二。城は基本ネガティブだが、高校サッカーの解説をするとポジティブマンになるので面白い。

一方で「あんなの大したことないんだよ。バルサでは〜」なんて言ってる人とサッカーを見ても、楽しくない。多分 笑  大体反応に困るし笑

 

2つ目

「解説しすぎない」

これは非常に難しいこと。どうしてもライト層と一緒となると、サッカー、チーム、選手の魅力を知ってほしくて色々と語りたくなる。俺も昔は「浦和レッズは3バックの両サイドがめっちゃ攻撃参加するのよ。そうするとディフェンスラインが1人とか2人になっちゃうし、しかも全員守備力に課題のある選手だから、ボランチの阿部が後ろに下がってカバーするんだぜ。」といった、ライト層には細かすぎる話をしていた。相手は大抵熱心に聞いてくれるのだが、おそらく理解できない。

だって俺らもいきなりクリケットの細かい戦術とか語られてもちんぷんかんぷんでしょう? わけがわからない思いをすると、頭が混乱して、(またテンション的にも)試合を楽しめなくなる恐れがある。なのでなるべく、細かすぎる解説はやめておいた方がいいと思う。うるさいし。

 

一方で、最低限の解説は必要だろう。例えば名古屋グランパスの試合を観ているのなら、「あの超デカいジョーっていう選手は元ブラジル代表で、得点力がヤバイの。彼に向けて高いボールを蹴ればヘディングで勝ってくれるから、一気にチャンスになるんだぜ。あと、その後ろにいる優しそうなシャビエルって選手とイケメンの前田って選手はめちゃくちゃテクニックがある。この3人の破壊力半端ないって」とか。要するに、知っておくと試合がもっと楽しくなるような情報は、どんどん話したほうがいいと思う。ちなみにこれが上手いのは松木安太郎。あとさりげなく城彰二。またかよ笑

この2人はこういう風に、ライト層を楽しませるのが上手い。だからサッカーファンからすればよくわからなくても、重宝されるのだろう。確かなサッカー眼を持っているので、誰かさんのように変なことも言わない。ある意味手本となる存在である。

 

3つ目

「試合後に感想を聞かない」

これはあくまでも俺のやり方。話半分に読んでもらえれば。というかそもそも試合内容次第でもある。試合が間違いなく面白いものだったなら、聞いてもいいだろう。だがそうでないときは相手に無駄に気を遣わせるリスクがある。

そして、「この人とサッカーを観に行くと毎回しつこく感想を聞かれそうで嫌だな…」と思われてしまうかもしれない! 気疲れさせてしまうのだ。そんなの渡辺謙も発狂するレベルの最悪のパターンでしょう? (そういやあのCM終わっちゃったね)

俺は基本的に、感想を聞かない。ただし試合内容について少し語ったりして、さりげなく感想を言いたくなるような雰囲気を作る。そして相手が何か感想を言ったら、相手の隙を見つけたイニエスタの如く攻勢をかける。聞かれて答えるよりも、自分から自発的に発言した方が、言った本人は発言内容に実感を感じると思うのよ。だから、聞かない。相手に自発的に語ってもらう。それを徹底的に拡げて、盛り上げる。

(盛り上げるのは結構難しいんだけどな。特に負け試合だと、それこそ俺が日本代表監督になるのと同じくらいに難しい。大人なら酒の力を借りてもいいと思うアル。)

 

以上、俺がライト層とサッカーを見るときに気をつけている三か条でした!

それと、大前提として、「自分もその試合を楽しむ」ことが大切だと思われる。一緒に試合を観ている人が楽しんでいれば、皆自然と楽しくなってくるのだから。

(なんでこんな大事なことを一番最後に補足的に書いてるんだろうな)

 

追記 : こんなに気を配ってるのに、一緒にサッカーを観に行った女性と付き合えないしん! それどころか最近は男としかサッカーを観にいけないしん! なぜ!?神様、どうか声を聞かせて。ほんのちょっとでいいから。

 

(真面目なことを書くと、女性とサッカーを観に行くとは言っても、その女性は完全なる友人だったり、近所の家の娘さんだったりするので、当然っちゃ当然の話。それはともかく、サッカーが好きな女性は素敵だ。美人ならなおヨロシ)

 

The essence of all art is to have pleasure in giving pleasure.

全ての芸術の本質は、喜びを与えることに喜びを感じることにある。

デール・カーネギー  (アメリカのビジネス作家。自己啓発書「人を動かす」「道は開ける」は全世界でロングセラーとなっている)

 

 

 

代表チームにおいて、戦術は重要か?

サッカーというスポーツは誰にでも楽しめる反面非常に奥が深く、海外ではチェスに似ていると言われている。

超一流監督にも決して極めることができない、人間の知能を超越した知的なスポーツなのだ。

そういうスポーツなので、選手の質と同等かそれ以上に、戦術が重要視されている。

 

例えば、「ボランチがサイドにパスを出したらセンターフォワードは裏に走り、真ん中にスペースを作る。そこにボランチが走り込む」とかいったものが戦術だ。

これを上手く練り上げれば、数年前のドルトムントアトレティコのように、超一流揃いというわけではないチームでもめちゃくちゃ強くなれる可能性がある。それがサッカーの醍醐味だろう。戦術次第でチーム力が大きく変わる。

 

しかし近年、一部界隈で「細かい戦術っていらなくね?」という声が出てきている。

どういうことか。

 

有名な話だが、現代サッカーではデータや人工知能を使って相手チームの戦術を徹底的に研究する。2014年W杯のスペイン代表がオランダに徹底的に対策されて何もできず惨敗したのは好例だ。(そういやあの大会ではザックジャパンも同じ目に遭ってたな)

そのせいか、2018年W杯でも、大金星こそ少なかったが、強豪国が中堅国に大苦戦することが多くW杯で優勝を狙うような強豪国であっても攻撃戦術を徹底的に対策されれば苦戦するということが明らかになった。

 

また、重要なのが、2018年W杯では戦術に固執しないチームが多く見られたことだ。

イングランドは若い頃からずっと一緒にチームを組んできたサウスゲートとその仲間たちが知的な戦術を披露していたが、その知的な戦術が攻略されていることに気づいた途端、トリッピアーのキック精度とマグワイアの強さを活かしたセットプレーからの得点に依存することになった。

ブラジルも、戦術戦術していては勝てないと思ったのか、Mr.戦術のレナト・アウグストではなく、戦術の枠を超えて動き回るパウリーニョを重宝していた。

ベルギーはデ・ブライネのアイデア力とアザールの個人技に強く依存していたし、クロアチアは天才2人のアイデア力で試合を操っていた。フランスは特にヤバく、攻撃の戦術がろくになかったことを世界中から批判された。(まあ個人的にはエムバペとパヴァールの右サイドコンビを活かすためにチーム全体が動いていたのは立派な戦術だと思ったけどな)

 

このような、戦術よりも「選手のアイデア」を重視するスタイルは、2002年、2006年のブラジル代表そっくりで、時代遅れな印象を受けるかもしれない。

しかし、裏の裏をかくとでも言おうか。戦術を徹底的に研究する今の時代、逆に選手のアイデアに任せるやり方の方が、相手は(研究・対策ができず)苦しむ可能性があるのだ。もちろんこれを成功させるには選手全員が高いサッカーIQを持っていなければならず、楽そうに見えてかなり難しい。西野朗が頑なに山口ではなく長谷部を使い続けたのも、山口がいるとチームがバラバラになると考えたからだと思っている。

 

※以上に述べたことはあくまで攻撃の話で、守備に関しては戦術をしっかり植えつけておかないと守備が崩壊する。攻撃と違い守備はミスが許されない。「その場のアドリブで動こうぜ」では壊滅するのだ。

さらに言えば、これは毎週のように試合をするクラブチームではなく、ナショナルチームでの話である。ナショナルチームは試合がしょっちゅうあるわけではない分、対策にかける時間が豊富に存在する。それゆえ、ナショナルチームには「戦術にこだわらない方が良いのではないか」という意見が出てくるのもわかるような気がする。

 

追記: おそらく森保ジャパンも戦術を植え付けていくとは思うが、案外西野ジャパンが柴崎に任せたように、天才のアイデアと指揮に依存するスタイルの方が、つかみどころがなくて強いのかもしれない。まとめ(というか繰り返し)になるが、ナショナルチームで戦術に拘ることは必ずしも正しいとは言えない。共に練習する時間が少ないので戦術の徹底は不可能だし、敵チームからしてみれば戦術を研究する時間が豊富にあるしで、むしろ確固たる戦術の無いチームの方が怖いのではないかと思わないこともない。2014年のアルジェリア、2018年のフランスのように。

 

ちなみに、戦術に固執するにしても固執しないにしても、ゲームメイク能力があるボランチは非常に重要になる。現状このタイプの海外組は柴崎のみ。柏の手塚や川崎の守田は早いうちに海外に挑戦しても良いのではないだろうか。

 

Imagination rules the world.

想像力が世界を支配する。

ナポレオン (フランスの軍人、政治家)

 

 

この文章の仕掛け、わかりますか? (以前ツイッターに載せたものです)

以前ツイッターにも載せた、ちょっとしたエッセイです。大掛かりな「仕掛け」があります。気づけますか?

未見の方はぜひとも読んでみてください。↓

 

 

果たしてこれは判断ミスだろうか。 

僕は思い出すたびにやるせない気持ちになる。

齋藤飛鳥によく似た可憐な女性からのデートのお誘いを断ったのだ。 

そう、思い返せば、当時は無名だったが彼女は乃木坂46齋藤飛鳥に似ていた。

大学2年の夏、アルバイト先で同僚の女子大生に「今度の土曜日、2人で浅草に行かない?」と誘われたのだが、よりによってその日は僕が「鹿島アントラーズvs名古屋グランパス」を観に行く日だったのだ…。

何を言いたいか想像がついたかもしれないが、僕は試合観戦を優先し、イニエスタの如くひらりと、デートのお誘いをかわしてしまったのだ。

まさかこれが原因で、好意を寄せてくれていた女性に無視されることになるとは、未熟な僕には想像できなかった。 

僕の「鹿島vs名古屋を観に行きたい」という意志は、2006年W杯のイタリア代表の守備同様、堅固すぎたのかもしれない。

大学2年の夏、友人から「鹿島アントラーズvs名古屋グランパス」の特等席のチケットを一枚だけ貰った時の僕は、後に何が起きるかも知らず、今思えばエムバペのような期待と興奮を隠せない無邪気な顔をしていた気がする。  

そう、これは切ない話だ。 ちなみに、この件でJリーグを嫌いになどならなかったことは覚えておいてほしい。 

粘着質な人間ではないので。 

心配ご無用。 

これを読んだ人は「こんなに詳細に書いたら特定されるのでは?」と思うかもしれない。

これは僕の判断ミスの話だ。

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正解は下に↓

 

 

 

 

 

結局判断ミスだと思っているのか? と疑問を抱かせる意味深な終わり方はもちろんそうなのだが、もっと大きな仕掛けがあったのだ…

それは、「最後の段落から前に遡っていっても文章として成り立つ」ということ。

試しに「これは僕の判断ミスの話だ。」から上に向かって読んでいってほしい。

ね、成り立つでしょう?笑

 

The reason why I post tweets about movies.

俺が映画ツイートをする理由


「蓮はなぜ毎日映画のツイートをするんだろう? サッカー関連のツイートに比べるとRTやいいねが少ないし、第一サッカー垢なのだから映画のことをつぶやく意味はないのでは?」

 


と思う人がいるかもしれない。

この問い (実際に問われたことはないが) に今回は答えようと思う。

 


俺が映画ツイートをする理由は2つある。

 


1つ目は、「意外と反応が大きいから」

たしかに一見したところでは、映画関連のツイートにはRTもいいねもあまりついていない。しかし、垢主である俺のみ見ることのできる"インプレッション"や"エンゲージメント"を見てみると、毎回安定して200人近い人が興味を持って映画ツイートを見ていることが判明する。

つまり、1つ目の理由は「需要があるから」とも言い換えることができる。

 


2つ目は、(これが大切なのだが)、「サッカーと映画は似ているから」

以前俺は、こんなツイートをしている。

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要するに、サッカーと映画には共通点が多いのだ。

 

俺をフォローしている人の9割9分はサッカーに興味を持っている人だろう。しかしその中で、サッカーと共通する点が多く、サッカー並みに面白く、話のネタにも教養にも心の支えにもなり、さらには語学の勉強にもなってしまう優れもの「洋画」に興味がある人はどれくらいいるだろうか。

ふとそんなことを考えた俺は、「サッカーに興味があれば映画にも興味を持てる可能性が高い。しかし映画に興味を持つサッカー好きはまだまだ少ない。加えて、残念なことに地上波がジブリかクソ洋画しか放送しないせいで、若者が昔のように受動的に良質な映画に触れることもできない。ならば俺が役に立とう」 と決めた。

もちろん自己満足であったり、短めのレビューを書くことによって映画を再評価したりするといった目的も潜在的にはあるのだろう。

しかしはっきりと自覚している目的はあくまで、前の段落に書いたものだ。

 


最後に、「こんな映画が観たい」というのがあったら、いつでもリプやDMで尋ねてほしい。答えられる範囲で喜んで答える。(恋愛映画にはあまり興味がないので、一般論(世間一般での評価)に基づいた回答になる)

これはこの記事を最後まで読んでくれた人のみが享受できる特権である。(何を偉そうに)

 


There has to be something in every role that interests you.

どんな役にでも面白みがあるものだ。

クリント・イーストウッド (アメリカの俳優・映画監督)