hasu-footballのブログ

サッカー関連の記事多め。何かしら得ることのある内容にするつもりです。

史上最高の小説の一つ : ジョージ・オーウェル 「1984年」

世界最高の文学作品は何か?

様々な答えがある。その中で必ず上位に入る傑作が、この作品「1984年」だ。

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)

 

イギリスでは「読んだことないけど読んだふりをしている本ランキング」で1位に輝いたこの本。1週間ほどかけてようやく読み終えたので、感想を書いていく。

 

あらすじ

舞台は、ビッグ・ブラザーというカリスマに率いられた党が支配する"オセアニア"という国。ある程度の知能を持つ人の家には"テレスクリーン"という監視カメラのような機械が設置されており、彼らがおかしなことをしないよう、生活の全てを党に監視されていた。

主人公のウィンストン・スミスは公務員。党にとって都合の悪い情報を改変する仕事をしていた。しかし、実は彼は、密かに党への不満を抱いていた。

本当にこの社会は幸せなのか?もっと良い社会があるのではないか?

そんな彼は、同じことを密かに思っていたジュリアという女性に出会い、2人で、党の打倒を目指す同盟に加入する。

この本の中での世界地図 (ピンクがオセアニア)

f:id:hasumyon-football:20181022101858p:image

 

解説

この話は大まかに言えば、「近未来の独裁的管理社会に違和感を抱いた2人の男女の物語」である。

独裁的管理社会とは俺が勝手に作り出した表現だが、要するに、国家が国全体を完全に支配していて、しかも国民一人一人の生活も完全に監視・管理している社会(そこに思想や表現の自由はない) と言ったところである。

「それって社会主義やん」と解釈した人たちは、この本を「社会主義を批判した小説」と考える。実際、この本は社会主義批判のバイブルとして使われた過去がある。

ただ、実はジョージ・オーウェル自身は穏健な社会主義者、すなわち「民主主義を取り入れた社会主義」こそ最上だと考える人だった。(確か昔日本にあった民社党はこの考え方をとっていたはず。)

そう。この本は、本人も言うように、決して社会主義そのものを批判した本ではないのだ。

彼が批判したいのは、あくまで"独裁的な社会主義"なのである。

これがどのようなものかは、ここで説明するのは控える。(というか難しい)

この本を読めばわかるだろう。ゾッとするゾ。

 

感想

重い。けど面白い。いつかまた読もう。

この本、厚さはそこまででもない。"ちょい分厚い"レベル。何冊かに分かれたりもしていない。一冊だけ。たしか400ページくらいだったかな。そこらへんにあるちょっと長めの小説と、一見したところなんら変わらない。

ただし… 文字数がエグい。ほぼ全ページに文字がぎっしり詰まっている。多くの小説では下の方がスカスカだが、この本はぎっしり。(しかも恐ろしいことに、これだけ長いのに無駄がないのである…)

この文字数に加えて、語彙や表現の難しさも追い打ちをかける。難しく、スラスラ読めない箇所が結構ある。特に中盤〜終盤にかけて20ページ近くに渡って載せられている、同盟の教典(通称"寡頭制集産主義の理論と実践")の部分は、心が折れそうになる。もはや政治学社会学の専門書なのだ。ただ、勉強になるので俺は読んだ。(この本を出版する当時、出版社側はこの部分を削除したかったそうだ。これに対しオーウェルは「この部分は欠かせない」と断固反対し、結局は削除されずに発売されたという経緯がある。…正直、出版社の気持ちもわかる。)

幸いストーリーの構成はシンプルで、物語の構造がわからないということにはならない。流石にそこまで複雑にすると、読むのが嫌になるだろう。この辺りの匙加減は絶妙だ。

 

さて、「1984年」はそんな小説だが、不思議と先を読みたくなる。適度に恋愛要素やアクション描写、芸術的な展開があって飽きさせないし、イギリスが生んだ天才作家ならではの表現力や人間描写、さらには社会風刺などは、読んでいて非常に勉強になる。しかも「うわ〜マジか〜」となるようなまさかの展開もあったりする。

だがなんといっても、最も大きな理由は、あまりにも強力な独裁政権に反旗を翻した男女がどのような運命を辿るのか、それが気になる、ということであろう。

読めばわかる。敵が強すぎることに。これが現実化したら恐ろしすぎる。流石にここまで行くことはないのでは… と思わないこともないが、一概にありえないとは言えないのも事実。

 

結末は言わないでおこう。割と有名なので俺はだいたいの内容を知っていたし、知っていても楽しめたが、知らない方がより楽しめると感じた。

結末や、最後についている付録から生まれた都市伝説、設定自体について色々な解釈がある名作だ。

 

さて、読みたいと思った人もいるのではないだろうか。いてくれると嬉しいな。

しかし、この本を読むにはある程度の読解力、語彙力が必要だ。それが無ければ初めの数ページで嫌になるだろう。イギリス人が「読んだことはないけど読んだふりをしている」のも、「読みたいし読んでおくべきだとわかっているけど挫折してしまうから」だろう。

更に、(小説を読んでいるとは思えないほど頭を使いながら)序盤をクリアしても、真ん中あたりでまた辛くなる。前述した「もはや政治学の専門書」の部分とか。

だが、最後まで読む価値はあると思うので、一度読み始めたら是非最後まで読んでみてほしい。長いとはいえ、隙間時間を見つけて少しずつ読めば1週間ちょいで読み切れる。なので購入はせず、図書館で借りるのもアリ。

※ただ、この本は一度読んだだけでは完全には理解できない。読むことに必死になってしまい、色々と深く考える余裕がない。なので、買った方が良いと思わないこともない。 読み切れる自信がある人は買っても良いかな…? まあ自己責任でお願いします。結構高いし難しいし話自体も「途轍もなく面白い!」というわけではない。だが世界最高級の小説であることは間違いない。

理想はブックオフかな。うん。人気作だから滅多に置いてないけど。そういや池袋のブックオフには1冊だけあったな。

 

余談

以前、Amazonが販売している電子書籍Kindleで、読者の書棚から一冊の本が消えたことがあった。本が消されてしまう。まるでこの本に見られるような光景である。面白いのは、この時消された本が、他ならぬ「1984年」だったこと。(ただのAmazonのミスらしい)

 

余談2

映画好きなら、この本を読んでいて「未来世紀ブラジルそっくりやん」と思うだろう。

もちろん先に発売されたのはこの本。30年近く先かな。「未来世紀ブラジル」はこの本の映画化作品だという説が有力。実際、監督のテリー・ギリアム自身も、この本から着想を得ていると認めている。

この本にあるいくつかの非現実的な部分を少し現実的にしたような、そして、強烈かつ独特のセンスを醸し出す映像で描いた、そんな映画が「未来世紀ブラジル」という印象。

あくまでも「着想を得た」レベルなので、被っているところはさほどない。全体を見たときに「似てるなー」と思う程度。片方を既に知っていても、もう片方を普通に楽しめるのでご安心を。

どちらを先に味わうかは、ご自由に。

 

If you kept the small rules, you could break the big ones.

小さなルールを守っていれば、大きなルールを破ることができる。

ジョージ・オーウェル (イギリスの作家)

 

愚痴は程々に

ツイッターには愚痴ばかり呟く人がいる。何を呟こうが自由だし、かつての俺もそうしていた。だが、今では愚痴は程々にと思っている。

 

「自由に感じたことを呟くのがツイッターだ」という信念のもと、愚痴ばかりツイートしていた俺だが、大学2年時にその考えが変わった。

 

詳しく話そう。

 大学1年の春、俺は地元の個別指導塾でアルバイトを始めた。生徒は小学生か中学生。皆可愛く、バイトは楽しいものだった。

※生徒は小・中学生 と書くとロリコン疑惑をかけられるので、ここに"俺は張り合いのある高校生指導をしたかった"と言うことを付記しておく。すでに高校生担当のバイトは人数が足りていたので、低学年に回された次第だ。)

※そういや当時国語を担当していた子に超可愛い子がいたな。ロリコンではない俺も流石にハッとさせられるような美少女だった。誰かに似てる、でも誰かわからんと当時は悶々としていたが、このブログの最後に登場する大女優だと今気づいた。

 

生徒は可愛いしそれほど難しいことを教える必要もないし忘れかけていた中高数学の復習もできるしで、最高かよと思っていた。

 

 ところが、夏期講習で請け負った生徒に、1人厄介な子がいた。サッカー部の2年生だった。

彼は隙あらば学校や友人の愚痴を語るのだ。

毎日毎日。ブースに来た瞬間から愚痴り始める。途中で遮って無理矢理授業をすると不機嫌になる。

そんなこんなで、毎日1時間近く愚痴を聞かされた。全く。俺はカウンセラーじゃないんだよ。時給1100円で何でカウンセリングまでしなきゃいけないんだよ。

始めてこのアルバイトで精神的苦痛を感じた。

 

この経験が、俺の愚痴の量を大幅に減らした。

もちろん彼に愚痴を延々聞かされてうんざりし、「ああ、人の愚痴を長々と聞くのはこんなに辛いことなんだな」と痛感したからというのが最大の理由だ。

だがもう1つ理由がある。それは、ストレス解消のために愚痴っているはずの彼が、全くストレスを解消できておらず、毎日別の話題を引っ張ってきては愚痴っていることに気づいたからだ。

愚痴がクセになると、ストレス解消の手段だったはずが、いつのまにか目的となってしまう。そうなると、愚痴をいうネタを無意識下に探すようになってしまい、結果としてなんでもネガティブに捉え、粗探しをするようになってしまうのではないか、と俺は考えた。

それはどう考えても不幸な状態である。あまり長く続くと、根暗になってしまうのではないかとさえ思えた。

 

仲の良い人の愚痴ならまだいい。聞いたり読んだりして共感することで信頼関係が生まれるし、似たような不満を持っている自分に気づけることもある。それから、自分の知らない世界に生きている人の愚痴は、知識になる。(純粋に、へぇ〜そうなんだ〜と。)

それは間違いない。

しかしいずれにせよ、限度がある。適切な愚痴の量というものがあるだろう。始めは親身に聞いていても、1時間も愚痴を聞かされれば嫌になってくるのが普通の人間だ。

言っている本人は楽しいのでなかなか気づかないのがまた辛いところ。

 

ツイッターでも同じだ。毎日毎日浮上したかと思えば愚痴しか言わない人を、あなたはフォローしたいか? リムるまではいかずとも、ミュートするだろう?

 

愚痴は程々に。もしどれだけ愚痴り続けても嫌がらずに根気よく親身に聞き続けてくれる人がいたとすれば、その人はあなたのことが好きな可能性が高い。

※もちろん、単に性格の優しい人だったり、あるいは人の不幸話を聞くのが大好きな悪趣味な人間の可能性もあるので注意。

(いずれにせよ、自分を好きでいてくれる人に愚痴を聞かせ続けるのは良くないと思うネ。2人とも共倒れするかもヨ。)

 

You can tell more about a person by what he says about others than you can by what others say about him.

(意訳) その人が周りからどう言われているかよりも、その人が周りの人たちをどう言っているかによって、その人がどんな人かがわかる。

オードリー・ヘップバーン (イギリスの女優)

f:id:hasumyon-football:20181104230203j:image

日本代表のサイドバックは人材難?

「日本代表のサイドバックは人材難だ」という話を聞く。

思うに、これは半分正解で半分間違いだ。

 

というのも、サイドバックは人材が豊富な一方で、左サイドバックは人材不足に見舞われているからだ。

 

現在日本代表では右に酒井宏樹、左に長友佑都という組み合わせが固定されているので、2人の控え(若手限定)を見てみよう。

サイドバック

室屋成 (24歳、FC東京)f:id:hasumyon-football:20181031100345j:image

攻守ともに優れたセンスを持つハードワーカー。色々と物足りない要素はあるものの、指導者次第で改善できるものばかり。根本的な課題はない。

三浦弦太 (23歳、ガンバ大阪)f:id:hasumyon-football:20181031100357j:image

センターバックのイメージが強いかもしれないが、実は右サイドバックもできる。というか、俺が見た感じでは右サイドバック三浦の方がいい。ああ見えてかなり運動量豊富で、意外にスピードもある。そしてさらに意外なことに、クロスの精度がクッソ高い。センターバック仕込みの守備力もあるし、室屋よりも良いかも。

小池龍太 (22歳、柏レイソル)

f:id:hasumyon-football:20181031100411j:image

日本代表にこそ縁がないものの、かなりの実力者であることはJリーグファンなら知っているだろう。簡単に説明すれば、「長友のフィジカルを弱め、代わりに俊敏さをさらに強化したような選手」か。ウイング並みの攻撃力も武器で、柏ではたまにあの伊東純也とポジションチェンジをしたりしている。守備力も悪くない。課題はやはりフィジカル。そして、キック力自体はあるのになぜかクロススピードが無いのも弱点。

藤谷壮 (21歳、ヴィッセル神戸)

f:id:hasumyon-football:20181031100420j:image

以前、日本の若手紹介ツイートにも書いたが、俺が個人的にかなり期待している選手。運動量、足の速さ、ドリブル、クロス精度に関してはすでに日本代表級。課題は守備力。ただこれに関してはまだ21歳なので仕方ない面もある。これからリージョのもとでどれだけ高めていけるか。戦術眼も相当鍛えられるだろうし、楽しみだ。

橋岡大樹(19歳、浦和レッズ)

f:id:hasumyon-football:20181031100437j:image

本来はセンターバックの選手だが、浦和ではウイングバックでプレーしている。この2つがこなせるのなら、サイドバックも問題なく出来るだろう。能力的には、攻守ともに抜群のセンスを持つものの、安定感がなく足を引っ張る場面が散見される。だが、彼はまだ19歳。アジアカップまでの短い期間でも大きく成長するような気がする。試しに呼んでもいいかもしれない。浦和でプレーしているのは大きな武器になる。(色々な意味で)

 

他にも鹿島の伊東幸敏f:id:hasumyon-football:20181031100631j:image

清水の立田悠悟f:id:hasumyon-football:20181031100637j:image

ら若手実力派もいるが、さすがにA代表はまだ厳しいか。

ちなみに、右サイドバックには鹿島の西大伍

f:id:hasumyon-football:20181031101938j:image

という最終兵器がいる。もう30代なので呼ばれにくいとは思うが、能力は酒井宏樹と大差ない素晴らしい選手だ。後方からゲームメイクが出来るので、もしかしたら、アジア杯では彼の力が必要になるかもしれない。(今の勢い一辺倒の日本代表はそのうち限界を迎えるので)

 

さて、右サイドバックはこんな感じ。

 

問題はサイドバックだ。現段階で代表に呼んでも問題なさそうな若手はこの3人。

安西幸輝 (23歳、鹿島アントラーズ)

f:id:hasumyon-football:20181031101951j:image

縦の突破が非常に得意な選手。とにかくドリブルで前に進める。鹿島ではサイドハーフを任されることもあり、その攻撃力は折り紙つき。守備力はまだ不安だが、深刻視する程のものでもない。彼が左サイドバックに入った試合で鹿島の守備力がガクンと落ちるという印象もないし、要するに可もなく不可もなしというくらいの守備力だ。

山中亮輔(25歳、横浜F・マリノス)

f:id:hasumyon-football:20181031102014j:image

なんといっても攻撃力。強烈なミドルシュートが有名だが、ドリブルで強引に前に進めるのも大きな武器。動きが機敏で見るからに良い選手。問題は守備力。今の日本代表は左ウイングに個で打開できる選手が揃っているので、どちらかといえば左サイドバックに求められるのは守備力。全体的に日本代表のレベルにあるとは言えない広島の佐々木が代表に呼ばれるのも、それが大きな理由だろう。その意味で、山中は起用しづらい。

福森晃斗(25歳、北海道コンサドーレ札幌)

f:id:hasumyon-football:20181031102027j:image

非常に体格が良く(縦にも横にも)、センターバックでもプレーできる。彼の左足から放たれるキックは日本最高クラスの精度を持ち、コーナーキックフリーキックのたびに相手は寿命が縮まる。さらに、キック精度だけの選手と見せかけておいて、実は攻撃参加のタイミングの良さや堅実な守備力もある。現在3位の札幌の絶対的な主力だということも後押しして、アジア杯に呼ばれる可能性は十分にある。

 

こんなところか。

他にも有望な若手はいる。清水の松原后f:id:hasumyon-football:20181031102046j:image

湘南の杉岡大暉f:id:hasumyon-football:20181031214515j:image

はその代表格。

あっ写真間違えたわ。杉岡はこっち。f:id:hasumyon-football:20181031102111j:image

しかし2人とも、能力的にまだ日本代表は厳しい。長友の代わりとなるとなおさらだ。

 

その長友は肺に穴を開けてしまい入院中。このまま復帰できない可能性まで指摘されている。(彼のことだから復帰してくれると信じているが)

若手縛りをなくせば、左サイドバックには一応、即戦力として槙野がいる。守備力を求めるのなら彼がファーストチョイスだろう。とはいえ、槙野も本職はセンターバックだ。

また、酒井宏樹マルセイユでたまに左サイドバックを任されて素晴らしいパフォーマンスを見せているが、彼は右サイドバックの一番手だ。どうせなら右で使いたい。

柏の若きセンターバック、中山雄太

f:id:hasumyon-football:20181031102135j:image

推す声もある。確かに彼が左サイドバックを務めていた頃の柏は強かったし、当然の話だ。西大伍を彷彿とさせるテクニック、メンタル、サッカーIQの持ち主で、左サイドバックに入ったら面白そうではある。ただ、彼はセンターバックボランチが向いている。サイドバックとして日本代表に呼ばれるほどの実力があるかは正直不明だ。柏ではもう長いことセンターバック固定だし、サイドバック勘が残っているか。

(とはいえ川崎の守田をぶっつけでサイドバック起用した森保のことだから、中山のサイドバック起用はありえない話ではない。前述したように今の日本代表はサイドバックにそれほど攻撃参加を求めない・求める必要がないので、後方からパスを供給して攻撃を指揮する中山でも問題なさそうな気はする。)

 

もちろん、他にも左サイドバックには有望な若手がいる。先に挙げた松原はああ見えてかなりの努力家だし、必ず伸びるだろう。杉岡も、あの体格であれだけ動けるのは魅力だ。ただ2人とも、今の時点で日本代表に選ばれても足を引っ張る可能性が高い。色々と荒削りすぎる。あのような荒削りな選手は、なんでも批判しなければ気が済まない日本人にとって格好のターゲットとなってしまうだろう。

とにかく、このポジションは長友がどうこうというよりも、彼を脅かす選手が出てくるまで時間がかかる。間違いなく人材難だろう。

 

もし左サイドバックの人材難が解消されないようなら、森保一は無理やり左サイドバックを置かずに3バックにするかもしれない。アジア杯だし、グループリーグ期間は3バックを試す余裕がある。

3バックの場合はサイドバックではなくウイングバックになり、左センターバックとのコンビになる。サイドバックの役割を2人で分担することになる。ゆえに守備力が多少低くても任せられる。

 

いずれにせよ、インテルでスタメンを守り続けてきた長友佑都という男の後釜はそう簡単には出現しない。いくら今の若手は人材が豊富とはいえ、さすがに難しい。

上で挙げた若手選手も、今のまま順調に成長していては長友に遠く及ばないだろう。一昨年の三浦弦太のように、突如能力が3〜4段階跳ね上がるような急成長を見せる若手が出てくることを、期待している。

 

I will prepare and some day my chance will come.

(意訳) 準備しておこう。いつかチャンスが来る。

エイブラハム・リンカーン (アメリカの政治家。第16代大統領)

堂安律の移籍先を個人的に吟味してみた

マンチェスター・シティ

堂安を以前から追いかけ、オファーも何度か出している(らしい)。監督がグアルディオラなので得られるものは非常に多いだろうが、プレミアリーグ特有のビザの問題がある。もしこれをクリア出来なければ、浅野のように秒速で他リーグにレンタルに出される。グアルディオラの指導、受けられないね。あと、仮にビザ取得要件をクリアしたとしても、ポジション争いの相手が強すぎる。

スターリング (サッカーIQが低いにもかかわらず10代の頃からビッグクラブで活躍してきた化け物。しかも近年はグアルディオラの指導でサッカーIQがアップしている。)

・マフレズ (レスターで岡崎のチームメイトだった世界屈指のドリブラー。シュートも上手い。やや球離れが悪いのが玉に瑕。)

・ベルナルド・シウバ (小柄だが想像性あふれる賢いプレーはかなりの脅威。まだ24歳と若い。)

………現実的に考えれば、やめた方がいいだろう。グアルディオラが本当に気に入っていて、是非とも指導したいと公言したら、そこで初めて考慮してもいいかな…レベル。

 

ユベントス

そもそも堂安の得意ポジション(右ウイング)にはコロンビア代表のスピードスター・クアドラード、アルゼンチンの宝石・ディバラ、ブラジルが誇る天才ドリブラードウグラス・コスタがいる。なぜ堂安獲得を考慮に入れているのか、まったくもって謎である。Cygames?

それとも以前アンダー世代のイタリア代表相手に4人抜きを見せたから? いずれにせよ、シティ並みに現実味に欠ける。

何よりセリエAは守備のレベルが非常に高いため、得点力が特段高いわけでもない堂安の場合、全く点を取れない可能性が高い。これは精神的にもよろしくないのでは?

 

アトレティコ・マドリード

闘将シメオネが率いるスペイン屈指の強豪。戦術眼やメンタル、それにスタミナは相当鍛えられるだろう。前2チームに比べればポジション争いの相手もチートではない。

ただ、1つ問題が。そもそもアトレティコって、ウイング無くね〜? あるとしたらセンターハーフに近いサイドハーフじゃん。あれ半端じゃなく運動量が求められるよね。サウールとかコケだから務まってるけど、堂安には無理では… と思わないこともない。

 

 

先週、アヤックスも興味を示しているという話を聞いた。だが、個人的にはオランダリーグから早く出て欲しい。下位チームにいながら上位チーム相手にあれだけやれる選手が、上位チームに移籍して何を得るのか。

チャンピオンズリーグ? いやいや、そんなの短い期間に数試合あるだけじゃん。

時間が勿体無い。せめてブンデスリーグアンには移籍して欲しいなと思う。

 

もちろん彼は今最も伸びる時期にいる。試合に出られない日々が続くと試合勘が失われ、成長の機会を棒に振る。

レベルが高いリーグにある、試合に出られるチーム

それが理想だろう。ブンデスかセリエの中位〜下位が現実的かな。(プレミアは下位も選手層が厚いので出場機会が保証されていない。)

ヨーロッパサッカーのリーグランキングは適切か?

ヨーロッパにはいくつものサッカーリーグがあるが、それらはランク付けされている。これは"リーグランキング"と呼ばれている。(正式には「カントリーランキング」だが。)

このランキングのトップ5は、(一時期変動もあったが)基本的に「5大リーグ」だ。

5大リーグとは、

スペイン・リーガエスパニョーラ

イングランド・プレミアリーグ

イタリア・セリエA

ドイツ・ブンデスリーガ

フランス・リーグアン

現在の順位はこの順番になっていたはず。

 

ところで、このランキングに違和感を感じるサッカーファンは昔から多い。3位〜5位は至極妥当だが、問題は1位と2位だ。

すなわち、リーガエスパニョーラよりもプレミアリーグの方がレベル高くね?」と感じる人が多いのだ。

なぜか。

まず、ヨーロッパのリーグランキングの作成方法から見てみよう。

ランキングは、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)とUEFAヨーロッパリーグ(EL)での成績をもとに決定している。

例えば…2016年だったっけか。ブンデスリーガのチームがいくつかCLで無双したことがあった。この翌年、ブンデスリーガはランクアップした。

それから、リーガエスパニョーラが1位なのは、チャンピオンズリーグヨーロッパリーグリーガエスパニョーラのチーム(例えばバルサ、レアル、アトレティコ、セビージャ)が好成績を残しているからだ。

こういう仕組み。

「各リーグのチームが本気で戦った成績で、リーグのランキングを決める」という、当然っちゃ当然の理屈。

 

だが、ここで1つ、重大な問題が発生する。

 

すでに違和感を感じた人もいるかもしれないが、このランキング決定方法だと、チャンピオンズリーグヨーロッパリーグに出場するような各リーグの上位チームのみの力でリーグランキングが決まってしまう。わかりやすく言い換えれば、上位にクッソ強いチームがあれば、あとは雑魚でも、そのリーグのランキングは高くなる。

 

長らくリーグランキングで首位を守っているリーガエスパニョーラは、このタイプなのではないか?と言われているのだ。どういうことか。

リーガエスパニョーラには、バルセロナレアル・マドリードアトレティコ・マドリード、セビージャ、バレンシアビジャレアルといった、ヨーロッパの舞台で好成績を残してきた強豪が存在する。

だが一方で、中位〜下位チームのレベルはお世辞にも高いとは言えない。(柴崎が所属しているヘタフェのサッカーを見たことがある人ならよくわかるだろう。)

実はこのリーグでは、上位チームにばかり賞金が配分されるので、その他のチームは貧しいのだ。(乾が所属していたエイバルなんて、シャワールームからお湯が出ないくらいに貧しかった。1部リーグなのに。)f:id:hasumyon-football:20181021200902j:image

 

果たして、上位チームがクッソ強い一方で中位〜下位は金もなく強くもないリーグが、リーグランキング首位で良いのか。

⇆対してプレミアリーグは、ずば抜けて強いチームこそ無いが、下位チームでも大金を持っており、そこそこ強い。今季のJリーグほどではないが、勢力が均衡している。

「プレミアの方がレベルが高いのでは?」という意見は、これを踏まえた上でのものなのだ。

※わかりやすく数字にしてみるとこんな感じ。(数字はテキトー。)

90.90.80.80.80.50.40.40.30.30.30.30.30

vs

80.80.80.80.70.70.70.70.60.60.60.50.50

どちらがハイレベルだろうか?

 

これは単なる素人の叫びではない。実際にグアルディオラ、クロップ、モウリーニョと言った名だたる名将たちが「プレミアリーグが最もハイレベル」「プレミアで指揮したいと思っていた」「優勝するのが最も難しいのはプレミアだ」といった趣旨の発言をしている。

かつては、プレミアリーグ=何も考えていない脳筋サッカー というイメージがあったが、各チームが大金をはたいて優秀な監督を連れてきた甲斐あって、近年はかなり知的なサッカーをするようになってきている。今季のチェルシーはその好例だろう。

 

なお、こういうことを書くと即座に「でもプレミア勢はチャンピオンズリーグで勝てないじゃん」と言ってくる者がいる。これは非常に短絡的で想像力の欠けた発想だ。

以前モウリーニョがこの浅はかな考えを論破する完璧なコメントをしていたので、ここに引用する。

「私はスペインにいた(注:彼は当時レアル・マドリードを率いていた)が、楽しくなかった。私はスペインで121ゴール、勝ち点100という記録的な数字で優勝したが、シーズンを通して接戦となったのは3、4試合だけだった」

「別の国のリーグでは、選手を休ませても試合に勝てる。スペインやイタリアでも私は選手を休ませて勝っていたし、常に次の試合や欧州戦に集中できた」

「だが今季、私はブラッドフォード戦(FA杯4回戦)で選手たちを休めたが、その試合に負けてしまった。それこそがイングランドのサッカーだ。2-0で試合に勝っていても、1点返されれば、終盤の数分間で地獄を見ることになるし、2-2で引き分けにされて勝ち点2を取りこぼしてしまうかもしれない」

「これこそがプレミアリーグであり、休む暇はない。試合数の多さだけではなく、試合の激しさ、その激しさは身体的だけでなく、精神面でも感じられる」

プレミアリーグとリーガの違いは大きいと思う。バルセロナレアル・マドリープレミアリーグを優勝できるか?その確率は半々だろう」

 

まとめると、「プレミアリーグは他リーグと違って下位チームが強いせいで、下位チーム相手でも主力を休ませられない。それゆえにチャンピオンズリーグには疲労の溜まった状態で臨まなければならず、全力を出せない」と言った感じだろうか。

他リーグのチームはリーグ戦を1.5〜2軍で戦い、力を温存した上でチャンピオンズリーグに挑んでくることが多い。この体力面での差を考えずに「プレミア勢はチャンピオンズリーグで勝てないから弱い」というのは、あまりにも短絡的だ。もっとも、こんな発想をするのは、親善試合で勝てない日本代表を「弱い。監督をクビにしろ」と批判していた人たちだろう。

 

とはいえ、プレミア勢がチャンピオンズリーグに全力で挑むとどうなるのかがわからない以上、今はリーガとプレミアのどちらがハイレベルかを結論づけることは出来ない。

あくまでも、チャンピオンズリーグヨーロッパリーグの結果をもとにリーグランキングを決める現在の方式は、プレミアリーグに不利」ということしか言えない。

 

今後プレミアリーグが、チャンピオンズリーグを意識してリーグ日程を改良するとか、余計なカップ戦を1つ無くすとかすれば(過激な案に思われるかもしれないが、実はイングランド内でもこれを望む声は多い)、近いうちチャンピオンズリーグの覇権もプレミア勢に移るかもしれない。そうなればプレミアリーグ正真正銘世界最高のリーグになる。俺はそう考えている。

 

とはいえこれも、所詮は単なる予想でしかない。

だがとりあえず、CLを見て「プレミア勢弱っwww」というのは少し違うんじゃねー? と言いたい。背景事情も考慮しようぜ、と。

(主力を十分に休ませて万全の状態で臨んだのに勝てない、という状況になって初めて「プレミアは弱い」と言えるだろう。)

 

追記 : 果たして今年のプレミア勢はどうだろうか… 早くも格下に揃って破れたりしているが… なにせ一番強いチェルシーが出場してないからなぁ… (独り言)

 

There are no facts, only interpretations.

真実など存在しない。あるのは解釈のみだ。

ニーチェ (ドイツの哲学者)

 

 

 

 

 

 

映画「コラテラル」について。

普段、映画の感想を逐一ツイッターに書くことはないし、ましてやブログに書いたことなど一度もない。

だが今回は書く。気が向いたのだ。

対象となるのは、トム・クルーズジェイミー・フォックスの共演、そして、トム・クルーズが悪役を演じたことで話題になったコラテラル」だ。 (まあタイトルの時点でバレてるんだけど)

コラテラル(吹替版)

コラテラル(吹替版)

 

この映画について聞いてみると、そこそこ映画が好きな人からも

「聞いたことはあるけど観たことはない」

という答えが返ってくる。

どうやら、トム・クルーズが悪役というのがなんだか嫌だったり、あらすじからクッソ暗い内容を想像してしまったりして、敬遠する人が多いようだ。タイトルもあまり一般的な単語ではない。(意味も「巻き添え」だし…)

 

同じような理由で、存在を知ってから5年近く観ずにいた俺だったが、先週、ついに鑑賞した。

感想: 「面白い!」

 

なんやねんそれ。小学生でももっとマシな感想言えるぞ。 と思っただろう。もちろん色々とこれから書いていく。ただ、観終わってまずパッと浮かんだのが「面白い!」という素直でシンプルな感想だったのだ。こういう映画は珍しいので、あえてこのように書いた。

さて、なぜ「面白い!」と思ったのかも含めて、書いていこう。まずはあらすじから。

 

あらすじ

陽気でいいヤツだが将来の悩みも抱えているタクシー運転手のマックス(ジェイミー・フォックス)。今日も抜群の道路知識を駆使して、客が得をする運転をしていた。しかしそんな彼がこの日最後に乗せたのは、マフィアに雇われた殺し屋のヴィンセント(トム・クルーズ)だった。マックスはそんなことはつゆ知らず、いつも通り目的地に到着。しかしそこで彼は、運悪くヴィンセントの犯行を見てしまう。

バレたか。こうなったら仕方ない。コイツも巻き込もう。と観念したヴィンセントに脅され、マックスは運転手として連続殺人に協力することになってしまう。

f:id:hasumyon-football:20181020121623j:image

感想

いやー、ひさびさにシンプルで知的な面白い映画を観た。ここ最近、トゥモローランドとか1408号室とか、やたらと難解な映画ばかり観てきて頭が疲れていたので、少しホッとさえした。

いや、本当に話は至極単純なんですよ。アクション要素多めだし、中学生でも楽しめるんじゃないかな。

そんな単純さの中で、序盤のさりげない会話、何気ない行動が終盤に無理なく使われたりする。「上手いなぁ!そういうことか!」と思わず唸る。

さらに、ターゲットを冷酷に殺すことのみを考えるヴィンセントと、人道を外れた行為が大嫌いなマックスの駆け引き(実際にマックスは何度か逃げようとする)もあったりする。

トムとジェイミーの演技力もさすが。トム・クルーズに悪役なんてできるのか〜?と半信半疑だったが、全く違和感がなくて草。特に発狂したりラリったりしてはいないのだが、静かに「コイツはヤバイやつだ」と知らしめる演技は見事。心底善良で明るいタクシー運転手を演じるジェイミー・フォックスは言わずもがな。どこにでもいる一般人を演じるのがこんなに上手い俳優だとは思わなかった。どう転んでも暗い映画にしかならなそうなこのストーリーが、「ちょい暗い」程度で済んでいるのは彼のパワフルな演技のおかげだろう。それと、絵も暗いんだけど夜景が綺麗なんだよね。音楽のチョイスもいい。意外に芸術的な側面がある。f:id:hasumyon-football:20181020121700j:image

終わり方もなかなかグッとくる。決して明るい終わり方ではないが、見事。感銘を受ける。

 

映画界では、複雑な映画がもてはやされる傾向にある。(トゥモローランドのように無駄に複雑にしすぎて酷評された作品もあるが)

やたらめったら複雑な映画が多い中で、この映画は、シンプルでいながら知性を感じさせ、伏線を丁寧に回収し、アクション、スリラー、ヒューマンドラマも見せてくれる。単純な映画は頭を使わなくても楽しめるので飽きがくることがあるが、この映画は飽きさせない。

 

yahoo!映画での評価は「そこそこ良い」程度のものだが、個人的には5点満点での4.5点はつけたい。シンプルでありながらこれだけ楽しませてくれるサスペンス映画って、そうそうないよ。アクション映画にはよくあるけど。

通ぶる人は「深みがない。単純すぎる」とか言うんだろうけど、その「サスペンス映画は全て深みがあって複雑でないといけない」という凝り固まった考え方はどうかと思うよ。そういう硬派なファンが、サスペンス映画を近寄りがたいものにしてしまう気がする。こういう映画があってもいいだろう。「単純だから」と言って低評価をつけるのではなく、ストーリーや演出などを総合的に見て評価をつけるべきではないだろうか。

 

俺としては、「難しい話は嫌だ。でもアクションばかり観ているのも馬鹿みたいだ。たまには知的なサスペンス映画も観たい」と感じている人にオススメしたい。面白いサスペンス映画は複雑で難しいものと相場が決まっているが、これは違う。

良き例外だ。

 

 

Simple can be harder than complex. You have to work hard to get your thinking clean to make it simple. But it’s worth it in the end because once you get there, you can move mountains.

シンプルは、複雑よりも難しい。シンプルにするためには一生懸命働いて思考をクリーンにしなければならないのだ。しかし最終的には、これは価値がある。なぜなら一度その境地に到達できれば、山をも動かせるからだ。

スティーブ・ジョブズ (アメリカの実業家。アップルの創業者)

 

J1残留争いの展望

いよいよ佳境に入ったJ1。今季は資金力のあるチームがシーズン前の補強をケチケチした結果前半戦で爆死し、慌てて後半戦から補強をしたということもあり、戦力差のほぼない、世界的に見てもきわめて稀な大混戦になっている。

さて、そんな今季のJ1において、現時点で残留争いをしているのはこの9チーム。(今日の長崎vs磐田の結果次第で順位は変動するものの、この9チームが残留争いをすることには変わりない)

f:id:hasumyon-football:20181021141904j:image

 

1チームずつ、最近見ていて感じたこと、残留の可能性などを書いていく。

 

ガンバ大阪 降格可能性 20%

一時期は最下位にまで落ちたが、元日本代表の今野泰幸が復帰してからは完全に別チーム。全てがちぐはぐだった中盤は統率され、攻撃陣もファンウィジョが復帰したこともあり迫力が1.5倍増しに。各ポジションに日本代表クラスを揃えているので、やはり底力がある。今野が離脱した場合に、代役が事実上いないのが心配だが、これに関しては今野のフル稼働を祈るしかない。

 

横浜F・マリノス 降格可能性 30%

伊藤翔が離脱した時はどうなることかと思ったが、ここに来て仲川輝人が覚醒。ウーゴ・ヴィエイラに相手が引きつけられたところを、小柄な体を活かして一瞬で突く。中盤の守備力には不安があるが、屈強な外国人2人で構成するセンターバックが悪くないので何とかなりそう。全体的に、J2降格がふさわしいチームではない。

 

ヴィッセル神戸 降格可能性 50%

イニエスタボランチに置く攻撃的なサッカー。理想を突き詰めたい気持ちもわかるが、今シーズンは残り5試合。残り5試合は残留するために現実的な戦い方に徹し、来季から大型補強もした上で理想を目指していけばいいのでは? と思わないこともない。正直、今のメンバーでは(特に守備陣は)個の力の限界を感じる。何よりこのチームは、今後の対戦相手が厄介。(残留争い中だったり今絶好調だったり)  神戸の降格は殆どのJリーグファンにとって想像したくない話だが、今のままでは十分可能性がある。

 

湘南ベルマーレ 降格可能性 70%

曹貴裁スタイルを完成させ、健闘している。ただいかんせん個々の能力はJ1最弱レベルなので、今後残留に向けた決死のバトルが始まった時に力負けしそうな予感がする。そしてここも、神戸と同じく今後の対戦相手が厄介。ルヴァン杯決勝に進出したことは喜ばしいが、そのために負担がかかってJ2降格なんてこともありえない話ではない。なにせ走力が武器のチームなので。

 

名古屋グランパス 降格可能性 30%

前線には、1人で前に進めるテクニシャン前田、アイデアの宝庫シャビエル、放り込めばなんとかしてくれるジョーがおり、青木や和泉と言った個人技に優れた選手、玉田という信頼できるベテランも周りにいる。小林のところは不安要素だが、エドゥアルド・ネットがいるので中盤の守備もだいぶマシに。最終ラインはまだ不安が残るが、キーパーがランゲラックだしまあ何とかなるっしょ。1試合少ない中でのこの順位だし、降格はしないと思う。

 

サガン鳥栖 降格可能性 40%

上位チームに普通に勝利。個々の能力で見れば優勝争いをしていてもおかしくないチーム。権田が絶好調なので、守備陣も最後の最後で踏ん張れている印象。自動降格圏にまで落ちることは無いように思える。プレーオフに回ったとしても楽勝だろう。ただ1つ、今後の対戦相手が厄介なのは不安要素。特に最終節の相手が鹿島なのが…

 

柏レイソル 降格可能性 70%

なにせ監督が素人なので、本当は降格可能性を90%にしたいチーム。まあ監督は形だけで実際はキャプテンの大谷が色々指示を出しているようだし、そもそもメンバー的には優勝を狙えるわけだし、70%ということに。ただ、今後の対戦相手が、残留争いチームの中ではダントツで厳しい。中村航輔が復帰するか、たまに見せるブーストを発揮するかしなければ、全試合黒星でもおかしくない。

 

ジュビロ磐田 降格可能性 80%

柏の正反対。監督は優秀なのに選手個人の能力が低い。アダイウトンとムサエフという、戦術的に欠かせない選手が離脱しているので仕方ない面もあるが、この戦力ではさすがに…。 さらに恐ろしいことに、今後の対戦相手がほぼ全て上位陣。かなり厳しい。

 

V・ファーレン長崎 降格可能性 80%

現時点での勝ち点的には降格間違いなしに思えるが、鳥栖、柏、磐田に比べると今後の対戦相手が緩い。なので上手くいけば今後黒星無しでシーズンを終えられる可能性も。結局は他力本願ではあるが、意外に残留の可能性は残っていると思われる。昨シーズンのプレーオフで見せた粘り強さを発揮できるか。

 

 

こうして改めて考えてみると、やはり柏、磐田、長崎がかなり危ない。柏については圧倒的な戦力を理由に残留を楽観視する声も多いが、監督が圧倒的に足を引っ張ること、今後の対戦相手が強いことを考えると安心できない。プレーオフ圏内(16位)に踏みとどまれば、J2のチームに負けることはまずないと思われるので残留出来るだろう。それが現実的な目標か。同じことは湘南と鳥栖にも言える。その他のチームはもう少し上を目指せるだろう。